みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

暦の上に春が来た/梅のつぼみも膨らんで・・・「立春」。

2007-02-04 17:50:30 | 花/美しいもの

柳沢厚生労働大臣の辞任の申し入れも一段落。
わが山県市で現在進行形の「選挙公営条例廃止」の直接請求の
署名簿を届けがてら、足を延ばして、おいしいものを買いに行くことに。
 直接請求の署名簿は、
わが家まで取りに来る人が多いので、
玄関の郵便受けに専用の箱を設置した。

伊自良に立ち寄って、北方のアピタに行く予定が、
わたしが「モレラ岐阜」に行きたいと言い出したので、
本巣でとちゅう下車(笑)。
前から気になってた「豆富屋さんのケーキ」のお店に立ち寄った。

  

「モレラ岐阜」をでたら、すごい大きな夕陽が沈むところで、
「アピタ北方」の屋上駐車場まで走った。

西の山にまさに沈まんとする夕陽。


新しいデジカメの望遠で撮ってみた。


  



冬の最後の日の日没である。

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一夜明けて、暦の上で春が来た。
今日は二十四節気の「立春」。
 
立春は、二十四節気の最初の節であり、
八十八夜、二百十日など、すべて立春の日から数える。
暦の上では旧冬と新春の境い目にあたり、この日から春になる。


例年ならまだ寒さが強いんだけど、
暦どおりの春のようなぽかぽか陽気。

しだれ梅や紅梅のツボミも膨らんで、
  
球根もぐんぐんと芽を伸ばし始めた。
  

今日は日曜日なんだけど、午前中から、ハートフルスクエアGで
『生き延びるための思想』(上野千鶴子/岩波書店)の読書会。


終わってから、お茶と軽食でおしゃべりして、
肩もいたいし、早めにお開きにして帰ってきた。

午後のお茶は、きのう買ってきた「豆乳のチーズケーキ」。
「豆富屋さんのケーキ」だからか、見た目は「ザル豆腐」。
  

味はさっぱりとしていて、和風のチーズケーキ。


チーズがあまり好きでないわたしでも、
コーヒーによくあってて、おいしく食べられました。

おまけは、『市民派議員になるための本』のつづき、
「どんな議員になりたいのか?」。

  ___________________________________________________________________________
『市民派議員になるための本』
(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)
5‐4 どんな議員になりたいのか?


 あなたはどんな議員になりたいですか? 
 現状の議会制度や行政を変えたいと思っていますか? それとも、とりあえず現状を受けいれたうえで政策を実現したいですか? 
 どんな議員になりたいかを考えるとき「スタンス」ということが大切になります。スタンスとは「足場」のこと。政治家としての自分のスタンスを決めることは、政策より大切なことかもしれません。どこに足場をおき、4年間どういう姿勢で仕事をするかということです。
 無党派・市民派候補者のスタンスを具体的にいうと、「平場の市民の立場ではたらきます」「弱者の視点で公平・公正な判断をします」ということです。
 市民とどのような関係をつくるのかも大切なことです。市民に対しては、「利益誘導をしません」「利害関係で動きません」「議員になってもいばりません」「議会だよりをだします」というものです。
 議員になったら、議会でだれと組むのかも考えておきましょう。数が多いほうがよい、他の議員と組んだほうがよいと思う人は、議会のなかで「会派(かいは)」をつくります。会派に入れば仲間ができてこころ強いかもしれませんが、議会で自分の意見を発言する前に、会派のなかで調整することになります。議会のあらゆる場で、自分の意見を主張したい人は、会派には入りません。
 「政策」と「スタンス」はちがいます。議員としてはたらくためには、そのどちらも明確にすることが必要です。
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富有柿の柿酢、ぶくぶく醗酵しています。

2007-02-03 22:02:19 | おいしいもの/食について
1週間ほど前に、甘酒から酢をつくるにはどうしたらよいか、
という質問が、参加してるメーリングリストであって、
調べてみたら、けっこう簡単に出きることがわかった。
というより、静置しておけば、酢酸発酵して最後には酢になる。
壷の酢ができるまで

村山千鳥酢

わが家は、京都の村山千鳥酢を使っているが、千鳥酢は伝統製法で
「仕込みは、清酒と予め造っておいた酢酸菌の濃い「種酢」をタンクに入れ、
酢酸菌と蔵付き酵母で酢酸発酵を行います。」
「醗酵が終了すると、1~2カ月間の熟成を経て・・・減菌(70度)、瓶詰のみ。」
長いこと放置すると、白いおりが出てくるので、
これが酢酸菌ではないかと思っている。

そういえば、百姓をやってる時に
富有柿の熟柿をカメに入れて柿酢を作っていたのを思い出し、
年を越してやわらかくなった熟柿で柿酢を仕込むことにした。

11月に姉にもらった富有柿はめちゃ柔らかくなっていて、
皮には白い糖分が吹きでている。
  
長いこと箱に入れてあったので、カビが心配。
柿酢用の柿は基本的に洗わないので、まな板に並べてね
ウォッカを霧吹きして、いちおう殺菌。
念のため、ヘタだけとって、そのまま丸ことビンに
すき間ができないように入れていくだけ。
  

空気が入っているところは、割り箸で空気を抜いた。
軽くふたをしておけば、これで柿酢ができるはず。


1週間後。今晩のビンのなかの様子。



下のほうは、澄んだ液がたまっていて、ぶくぶくと泡が出ている。
これを見て、高校のとき「生物工学科」で「微生物」も学んだ
まどかくんが、「それ、腐っとらへん?」
(ドキッ)「そ、そんなはずないんやけど・・・」
ふたとると、甘酸っぱい香りがする。
「結構いいにおいしとるよ」
まどかくんもどれどれと嗅いでみて「あっほんとや」。

「柿は糖分が高いで腐らへんよ」とわたし。
「酸ができれば腐敗菌は生きられんよ」とともちゃん。
どうやら、酢酸発酵をはじめたようだ。

で、とつぜん、噴火した梅味噌のことを思い出した。
ぶくぶくとビンから飛び出すといけないので、
またボールのなかにおいておくことにする。

夕食は、京都から帰ってきたまどかくんお手製の刺身。

  

エビスビールを飲みながら、3人でおしゃべりもはずんで、
久しぶりにゆっくり過ごす夜。

今日は節分でした。


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全国の女性から怒りの声「柳澤厚生労働大臣は辞任せよ!」

2007-02-03 01:57:06 | ジェンダー/上野千鶴子
安倍晋三内閣・総理大臣と柳澤伯夫・厚生労働大臣に、
申し入れ書を、それぞれ配達証明つき速達で郵送しました。

以下は、その正文です。

   

厚生労働大臣の罷免と辞任を求める申し入れ書(PDF版)  
-----------------------------------------------------------------------
                             2007年2月2日
厚生労働大臣 柳澤伯夫 様
               厚生労働大臣の辞任を求める申し入れ書

 私たちは、女性、子ども、高齢者、障がい者などの社会的弱者が、年齢や性別にかかわりなく、人間らしく、安心してくらせる地域社会を実現するために、地方自治の現場で働く無党派・市民派議員および市民です。
 1月27日、柳澤伯夫厚生労働大臣は、松江市内で開かれた講演会で、女性を「産む機械、装置」と表現し、「装置の数は決まっているから、・・・あとは産む役目の人が、一人頭で頑張ってもらうしかない」と発言しました。私たちはこの発言を報道等で知り、女性への侮辱であると強い憤りを感じています。
 いま、地方行政の現場では、「次世代育成計画」、「地域福祉計画」、「男女共同参画プラン」等を策定し、だれもが安心して子どもを産み育て、働くことができる地域づくりに努力しています。これらの施策を担当する厚生労働大臣が、女性の人権を無視し、命がけで妊娠、出産する女性を「産む機械、装置」であると表現し、権力がコントロールするかのような差別発言をしたことは言語道断です。
 発言は、子どもを産んだ人、安心して産み育てたいと願う人、産みたくても産むことができない人、産まないことを選択した人、すべての女性に対する暴言であり、同時に、生まれてくる子どもに対しての侮辱です。いつ、何人の子どもを産む、産まないかを女性が選択できることは、カイロ国際会議で宣言された「女性の性と生殖の自己決定権(リプロダクティヴ・ライツ)」です。この発言によって厚生労働大臣がこの「権利」を理解していないということが明らかになり、現政権の人権感覚の低さを国際的に露呈しました。
 また、「装置の数は決まっているから、・・・あとは産む役目の人が、一人頭で頑張ってもらうしかない」との発言は、子育てをしやすい環境を整備せず、少子化の原因と責任を女性だけに押し付けるものであり、地方公共団体の女性に関するすべての施策の推進を妨げるもので、柳澤伯夫氏は、厚生労働大臣として不適格といわざるを得ません。
 このような認識の人が、厚生労働大臣の職につき、今後も大臣を続けることを私たちはとうてい容認できません。「言論の府」で働く議員が自分の発した言葉に対して責任をとるのは当然のことであり、謝れば済むというものではありません。
よって、私たちは、柳澤厚生労働大臣の発言に強く抗議するとともに、厚生労働大臣の辞任を求めます。                                                        以上。
                   厚生労働大臣の辞任を求める議員と市民のネットワーク
                      愛知県日進市議会議員 ごとう尚子
                      (別紙) 議員 48名 市民205名 19団体
                       連絡先/寺町みどり 岐阜県山県市
-------------------------------------------------------------------------
                              2007年2月2日
内閣総理大臣 安倍晋三 様
               柳澤伯夫厚生労働大臣の罷免を求める申し入れ書

 私たちは、女性、子ども、高齢者、障がい者などの社会的弱者が、年齢や性別にかかわりなく、人間らしく、安心してくらせる地域社会を実現するために、地方自治の現場で働く無党派・市民派議員および市民です。
1月27日、柳澤伯夫厚生労働大臣は、松江市内で開かれた講演会で、女性を「産む機械、装置」と表現し、「装置の数は決まっているから、・・・あとは産む役目の人が、一人頭で頑張ってもらうしかない」と発言しました。私たちはこの発言を報道等で知り、女性への侮辱であると強い憤りを感じています。
 いま、地方行政の現場では、「次世代育成計画」、「地域福祉計画」、「男女共同参画プラン」等を策定し、だれもが安心して子どもを産み育て、働くことができる地域づくりに努力しています。これらの施策を担当する厚生労働大臣が、女性の人権を無視し、命がけで妊娠、出産する女性を「産む機械、装置」であると表現し、権力がコントロールするかのような差別発言をしたことは言語道断です。
 発言は、子どもを産んだ人、安心して産み育てたいと願う人、産みたくても産むことができない人、産まないことを選択した人、すべての女性に対する暴言であり、同時に、生まれてくる子どもに対しての侮辱です。いつ、何人の子どもを産む、産まないかを女性が選択できることは、カイロ国際会議で宣言された「女性の性と生殖の自己決定権(リプロダクティヴ・ライツ)」です。この発言によって厚生労働大臣がこの「権利」を理解していないということが明らかになり、現政権の人権感覚の低さを国際的に露呈しました。
 また、「装置の数は決まっているから、・・・あとは産む役目の人が、一人頭で頑張ってもらうしかない」との発言は、子育てをしやすい環境を整備せず、少子化の原因と責任を女性だけに押し付けるものであり、地方公共団体の女性に関するすべての施策の推進を妨げるもので、柳澤伯夫氏は、厚生労働大臣として不適格といわざるを得ません。
 このような認識の人が、厚生労働大臣の職につき、今後も大臣を続けることを私たちはとうてい容認できません。「言論の府」で働く議員が自分の発した言葉に対して責任をとるのは当然のことであり、謝れば済むというものではありません。
 よって、私たちは、柳澤厚生労働大臣の発言に抗議するとともに、任命権者である安倍晋三内閣総理大臣に対し、柳澤伯夫厚生労働大臣の罷免を強く求めます。     以上。

                   厚生労働大臣の辞任を求める議員と市民のネットワーク
                      愛知県日進市議会議員 ごとう尚子
                      (別紙) 議員 48名 市民205名 19団体
                       連絡先/寺町みどり 岐阜県山県市
------------------------------------------------------------------------------
 

怒りの声を届けたいとやむにやまれぬ思いで、
申し入れ書を出そうと思い立って、尚子さんと文案をつくり、
人から人へと呼びかけ始めてから、たった一日半で
253人、19団体もの人の想いが結集した申し入れです。
2時を過ぎて届いたメールは、お名前が入りませんでした。
その後、申し入れ書を首相官邸と厚生労働省にFAXで送って、
厚労省記者クラブにも案内をつけておなじものを送りました。

厚生労働省記者クラブ案内(PDF版)

一息ついたのは、5時ころ。
朝までの賛同メールにはお返事を書いたのですが、
その後は、あっという間に一日が過ぎました。

200通ほどの賛同メールといっしょにたくさんのメッセージも
届いているので、一部紹介しますね。

●本当に許せないことですし、
 とても悲しいことです。
 政治家としての資質以前の問題ですので、
 即刻、辞めていただきたいです。

●一市民の声が、直接届くと思うと嬉しく思います。
大変かと思いますが、頑張って下さい!!

●女性蔑視を通り超えて、人としての尊厳をおびやかす許しがたい発言です。

●「大臣がいくら弁明しようと謝罪しようと、あのような例えが出てくるには、男性優位の考え方が根底にあることと人権に対する配慮の無さが露呈したものと言わざるを得ません。政治を司る人としての資質が問われると思います。このような考えは彼一人ではなく男性に広く蔓延していると思われますので、その人たちの気付きのためにもがんばって下さいね。」

●あまりにもひどい発言に怒り心頭です。なんとか辞任に追い込みたいですね。

●4今回の柳沢大臣の発言は返す言葉も見あたらないくらい、女性全体をおとしめるもの、そのものです。こんな人に、今後何を期待することが出来るでしょうか?

●柳沢大臣の発言はとんでもないです。
あんな人に少子化対策をやられても何の解決にもならないどころか、もっと悪化
するんじゃないの?と思います。

●「言葉」=「人」=「価値」…「当たり前のこと」が分からない人間。
「即物」「唯物」でしか、「世界」を見ることのできない人間。
その「精神性」故、もはや人間とは言い難き人間。
ほんと「機械」なら、直しようもあろうものを…。
本当に、悲惨過ぎますね。
お体、くれぐれもご自愛くださいませ。
ブログ発信、いつも本当にありがとうございます。 
<(_ _)>
 

ブロ友から届いてるのもうれしいですね。
つかれたので、取りあえずここまで。

(追伸)おまけは、今朝の中日新聞です。
「産む機械」に抗議文
厚労相の辞任要求 女性議員ら253人送付

 柳沢伯夫厚生労働相が女性について「(子を)産む機械、装置」と発言した問題で、東海地方を肇とした無党派の女性議員ら253人と19の市民団体が2日、連名で安倍晋三首相と柳沢厚労相に抗議文を送った。「発言は人権を無視し、すべての女性に対する侮辱だ」などとし、柳沢厚労相の罷免や辞任を求めた。
 253人のうち議員は、愛知、岐阜、三重、長野など16都府県の市町村議と県議の48人。女性を議会に送る活動などに取り組む愛知県日進市の後藤尚子市議や、岐阜県山県市の市民団体のメンバー、寺町みどりさんらが中心となって、1日から無党派議員や地域で市民活動に取り組む女性たちに呼び掛け、賛同者を募った。
 抗議文では、「(発言は)子育てをしやすい環境を整備せず、少子化の原因を女性だけに押し付けるもので厚生労働大臣として不適格」と指摘。後藤市議は「短い時間ながら、これだけの賛同者が集まった。一人一人の強い怒りを受け止めてほしい」と話している。
(2007.2.2中日新聞)
 

申し入れに加わってくださったみなさま、
本当にありがとうございます。



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厚生労働大臣の罷免を求める申し入れ書を出しました。/クロッカスとスノードロップ咲きました。

2007-02-02 18:56:15 | 市民運動/市民自治/政治

ふうーっ、疲れたぁ。

やっと、「柳澤伯夫厚生労働大臣の罷免を求める申し入れ書」を
安倍晋三内閣総理大臣の首相官邸にFAXで送って、
「厚生労働大臣の辞任を求める申し入れ書」を
柳澤伯夫厚生労働大臣にFAXで送って、
厚生労働省記者クラブに同じものをFAXして、
名古屋本社の各社にもFAXして、取材もあって一息ついたとこ。

提出者は、今日の正午までのたった一日半で
議員は16都府県の48名、市民は26都道府県の205人、
市民団体は19団体になった。

賛同メールをお送りいただいたみなさま、ありがとうございます。
12時を過ぎても届くメールを一人でも多く入れたいし、
最終的な提出文書と人数を間違えるといけないしで、
とっても神経をつかいました。

で、ちょっと休憩で久しぶりのお花です。

クロッカスが咲きました。
  

こんなにかわいいスノードロップも咲きました。
  

最近、いそがしいのと肩とウデが痛いのとで、
夕ご飯の支度はもっぱら連れあい。
  
まともに食べてる時間がないんだけど、
自然薯のトロロと、北海たこの刺身は美味しかった。

今日は、
お米の配達の時、差し入れてもらった、
谷汲だるま堂の杵つきあられを食べながら、
申し入れ書を作りました。

とりあえず、これから速達で出してきます。
完成品(申し入れ書の正本)はちょっと休んでからブログにアップしますね。

ではまた。

おまけに、ちょっと飛んでいた『市民派議員になるための本』
(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)をのせます。
 ___________________________________________________________________________
5‐3 あなたはなにがしたいのか?

 環境、福祉、教育などの市民運動をしている人は、運動のなかで、行政や政治のカベにぶつかりつづけ、やがてみずからその制度のなかにはいって、なかから変えたいと決心して議員になる人が多いようです。そんな市民派議員たちは、現実の政治の慣例やシステムを変えたいと、議会で孤軍奮闘しています。
 あなたは議員になったらなにがしたいのですか? それとも議員になりたいだけですか? 当選さえすればなんとかなると思っていませんか?
 政治を変えたいと思っているけれど、具体的な政策がない人は、いまからでもあなたのやりたいことを考えてみましょう。仲間がいるなら、仲間といっしょに関心のある政策を考えてください。政策をむつかしく考えることはありません。政治は生活そのものです。朝おきてから、夜ねるまでの毎日の生活の中に政治がありす。あなたが毎日の生活で、なにかに疑問を持ち、解決したい問題があるなら、そのことをコトバにしていけば、政策が生まれます。政策はどこか遠くにあるものではありません。
 市民型選挙をすすめるには政策が必要です。その政策を市民から市民に、平場の関係で伝えていくのが市民型選挙です。多くの市民に共感され支持されれば、かならず当選します。
 従来型選挙の候補者が、リーフレットもつくらず、演説もしないのは、政策の中身がなくて、したくてもできないからです。おなじように、もしもあなたに議員になってやりたい仕事がなにもないなら、選挙で政策が立てられないでしょう。やりたいこと、政策がなければ、リーフレットもつくれませんし、演説もできません。だから、とりあえず議員になりさえすればなんとかなるという考えでは市民型選挙はできません。
 なにも政策のない候補者は、議員になりたいだけの候補者でしょう。議員のイスに座ってみたいだけの人。議会の場で議論したいと思わない人は立候補をしないほうがよいかもしれません。
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「産む機械」発言に怒っているわけ/江原由美子・アグネス・チャン・清水ちなみ(毎日新聞)

2007-02-01 18:04:57 | ジェンダー/上野千鶴子

わが家は中日、朝日、毎日、岐阜新聞の朝夕刊4紙と
読売新聞の朝刊を購読している。
忙しいときは、読みきれない新聞が机の上にたまるばかりなんだけど、
今回の女性への差別発言のような事件では、情報収集に威力を発揮する。

朝日新聞の朝刊に、江原由美子さんのコメントが載っていたので
アップしようと思ったんだけど、もう記事が一杯一杯で、
ザンネンに思っていたら、毎日新聞の「夕刊とっておき」は、
「『産む機械』発言に怒っているわけ 」の特集で
江原由美子さんとアグネス・チャンさんと清水ちなみさんの
コメントが大きな記事で載っていた。

朝刊に続いて、毎日新聞ばかりになったけど、
毎日新聞は読み比べても視点がいいのでけっこう熟読してる。
毎日の夕刊をとってる人は少ないので、PRがてら、紹介します。

 =====================================
特集ワイド:柳沢伯夫厚労相に、辞任せよの大合唱 
「産む機械」発言に怒っているわけ


女性を機械に例えた「産む機械」発言は、柳沢伯夫厚生労働相の辞任問題に発展した。政治家の失言にはもうなれっこの国民も、今回ばかりは本気で怒った。なぜか。「機械」呼ばわりされた女性3人に話を聞いた。【太田阿利佐、小国綾子】

 ◇首相への不満も--首都大東京人文学部教授・江原由美子さん
 単なる言い間違いを差別発言だと言い立てるのは好ましいことではない。しかし今回の発言には「言い間違い」以上のものが潜んでいる。だからこそ強い怒りが起こったのです。
 柳沢さんは「分かりやすくするために機械に例えた」という。しかし例えて分かりやすくなったわけではない。ゆえに例える必然性はなかった。つまり、本音が出た、と考えられます。女性を「産む機械」に例えて「一人頭で頑張ってもらうしかない」ということは、つまりは「子宮一個当たりの産出量を上げろ」にも等しい。男性に置き換えれば「ペニス一本当たりの産出量」でしょうか。これ以上失礼な言い方はないでしょう。
 インターネットの掲示板では「『産めない女性は出来損ない』と言われたように感じた」という趣旨の書き込みがあった。柳沢さんはそうは言っていないが、女性はそう言われたと感じてしまう。それほど「産む機械」というのは強い表現なんです。
 安倍晋三政権への潜在的な不満もあると思います。女性たちに「なぜ産まないの」と聞くと「正社員になって雇用を安定させてから」という答えが返ってくる。正社員でなければ育児休業も取りにくいから当然です。女性の正社員比率は80年代よりもずっと低くなり、正社員との賃金格差も広がっている。夫に養ってもらおうにも若年男性の雇用も不安定。男性に「なぜ結婚しないの」と聞くとこれまた「正社員になって雇用を安定させてから」という。
 それなのに、安倍政権の政策は、長時間労働や格差を是正する方向には向かっていない。その政策責任者は誰ですか。まさに柳沢さんでしょう。
 ひとり親世帯の生活保護費に上乗せされている母子加算も廃止しようとしている。安倍政権の「子どもと家族のために」「再チャレンジ」などは言葉は美しいが、実態はうそ臭い。
 安倍首相は柳沢さんを「高い見識をお持ちの方」とかばった。それは「私も同じ見識だ」と認めたに等しいと思います。

 ◇差別で人権侵害--歌手・アグネス・チャンさん
 柳沢さんの発言には、怒りより残念な気持ちでいっぱいです。この発言は差別で、人権侵害です。日本で男女平等教育や人権教育が足りない、と世界に示しているのと同じです。
 発言は海外のメディアでも大きく報じられています。残念です。日本のすべての男性がこんなふうに思っているわけじゃないのに。私もプライドを持ってこの国で暮らしているのに。
 今回の発言は、セクハラやDV(配偶者間の暴力)、女性に対する性的搾取や児童ポルノなどの問題とも全部つながっています。つまり「女性はモノ」という考え方です。女性が人としてではなく、モノとして扱われている社会で、どうして安心して子どもを産めるでしょう。
 女性が子どもを産まないのは、出産することで今持つ権利を失うかもしれない、孤立するかもしれない、幸せになれないかもしれない、と不安を感じているから。少子化の一因は女性差別ではありませんか。
 子どもは授かりものです。国に「産め」と言われて産むものではない。出産は創造的なアプローチです。決して義務なんかではない。「一人頭」なんて経済的な表現で出産を語らないで。子どもを産み、育てる行為は本当にすごいこと。何もないところに一つの命が生まれる。一つ一つ体験を積み重ね、大人になっていくんです。
 命の重さを大切にし、一人一人の女性が認められる社会を築くことこそが、一番の少子化対策だと思います。
 私は、日本の社会は眠ってはいないと思う。だからこそ、怒りが沸き起こった。心配なのは、この問題が柳沢さん一人の失言問題で終わってしまうこと。何も変わらないというのが一番良くない。「腹の中で思っていても、言わなきゃいいんだ」という教訓を残すだけでは悲しい。
 今回の騒動をきちんと政策につなげてください。そうすることで初めて、柳沢さんの失言とそれに対する人々の怒りに意味が生まれるのだから。

 ◇許せぬ「機能」視--コラムニスト・清水ちなみさん
 あの発言には「オジサンの頭の中を見た!」と思いました。本音を言っちゃったのね、隠しておけばよかったのに、と。「ズボンからシャツが出ちゃってますよ」という感じ。でもあきれたり、笑ったりで済ませちゃいけない発言だと思う。
 これまで少子化論議では、いつも女性たちの気持ちがなおざりにされてきた。出産一時金がどうだとか、お金や制度の話ばかり。でも出産や育児は体の外側の問題よりも、内側、つまり気持ちや体そのものの問題が大切。それを政治家はちっとも大事にしてこなかった。
 「少子化対策は国の幸せのため。国民の幸せなんて考えてない」と女性たちは薄々気付き、うっ憤を募らせていたんです。「機械」発言は見事にそれを刺激してしまった。「やっぱりそれが本音だったか!」と。
 出産するかしないか、働くか働かないか、など立場の違う女性たちが、これほど一丸となって怒ることのできる「失言」も珍しい。すごい発言ですね。
 女性たちの怒りを過剰反応と考える人もいる。確かに柳沢厚労相は「女性は機械だ」と言いたかったのではなく「女性は出産という機能を持っている」と言いたかったのでしょう。でも女性が怒っているのは「機械」に例えられたこと自体より、「産む機能」として見られたことに対してではないかしら。
 女だけでなく、男もそう。「亭主元気で留守がいい」とか「女は子どもを産んで一人前」とか、夫婦間でも、相手を機能としてしか見ていない人は案外多い。職場でも「女はお茶いれてニコニコ笑っていればいい」とか。特に常日ごろから「機能ではなく、人間性を見てほしい」とモンモンとしてきた人にとって、今回の「機械」発言は許せなかったと思う。
 発言について夫婦で話し合ってください。あなたは妻を機能として見てないか、人間性を認めているのか。案外、柳沢さんの失言がのちの熟年離婚を食い止めるきっかけになるかも。

◇「夕刊とっておき」へご意見、ご感想を
t.yukan@mbx.mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279
==============
■人物略歴 ◇えはら・ゆみこ
 1952年、神奈川県生まれ。東大大学院社会学研究科修了。
 専攻は理論社会学、ジェンダー研究。
==============
■人物略歴 ◇アグネス・チャン
 1955年、香港生まれ。72年歌手デビュー。
 88年、息子を連れての芸能活動で「アグネス論争」に。教育学博士。
==============
■人物略歴 ◇しみず・ちなみ
 1963年、東京都生まれ。青山学院大卒。会社勤務のかたわら、
 アンケートで本音を探る「OL委員会」を主宰。
(2007.2.1 毎日新聞・夕刊とっておき)
=====================================

こちらは、朝日新聞の朝刊。
柳沢伯夫厚生労働相の問題の発言部分と、江原由美子さんのコメント。

-----------------------------------------
 27日、松江市での柳沢厚労相発言の問題とされる部分(出席者による)
では、人口の状況はどうか。平成17年の国勢調査を受けて,18年に年金の人口統計をやるわけです。(中略)特に、2030年に例えば30歳になる人を考えると、今、7,8歳になってなきいけない。生まれちゃってるんですよ、もう。
 あとは、「産む機械」って言っちゃ何だけど、装置の数が決まっちゃったってことになると、機械って言っちゃって申し訳ないんだけど、機械って言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が、一人頭でがんばってもらうしかない。2030年はもう勝負は決まっているとよく役人に言われる。
-------------------------------------------------------
男性特有の支配感の象徴
江原由美子・首都大東京教授(女性学)の話

 機械に油(金)でもやれば勝手にポコッとタマゴを産んでくれる、そんな発想だ。「がんばってもらう」という言葉にも、子どもは女性が一人で産み、責任を持って育てるものだという日本社会全体の心理がかいま見える。
子どもを産む苦しみ、産めないことの苦しみ、産めと強要される苦しみ。そんな人間ドラマが全く見えていないのではないか。言うまでもないが、子どもを産むのも育てるのも男女の責任。女性だけでなく、男性の働き方も見直さないと少子化対策にはならない。柳沢さんが提唱する「残業代ゼロ制度」にも共通するが、男は労働力、死ぬまで働け、女は産む機械という発想が透けて見える。じゃあ産まない女性はで出来損ないですか、という話になってしまうかもしれない。
 少子化問題を語るときの男性にありがちな無責任さ、支配感の象徴のような「失言」だ。
(2007.2.1朝日新聞)
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柳沢伯夫厚労相の辞任を求める申し入れ書に、
午前中から届きはじめた賛同メールは、100人ほど。
仕事が終わった夕方から夜にかけて、もっとたくさん届くのかな。

柳沢伯夫厚労相の辞任申し入れの呼びかけ

明日の正午に締め切って、それから急いで文書を整えて、
安倍首相に「罷免要求」、柳澤厚労相に「辞任要求」を
速達で送り、厚労省記者クラブと名古屋本社の各社にFAXする予定。
厚労省記者クラブにアポも取ったし、あとは賛同者がひとりでも増えて欲しい。

自民党は、朝から「世論の動向を見まもりたいとか、
野党が問題にしてるだけで、国民の声が聞こえてこない、とか・・・・
さっきは「柳澤厚労相を一致団結して守る」だって。
みなさん、柳澤厚労相並みの見識のようだ。
女性への差別や侮辱の反省はこの程度にして、お仲間を守りたいのだろう。
とはいえ、いったい、だれからだれを守るつもりなんだろう。
盗人猛々しいとはこのことだ。

議会は「言論の府」であり、議員の仕事場は議場である。
各政党はこの問題を政争の具にしないで、
国会の場で、国民に見える場所で、今回の発言をきちんと議論して欲しい。

狭い世界で思惑ばかりの国会に、無党派・市民派の怒りの声を届けたい、


最後まで読んでくださってありがとう
「女は産む機械」発言に怒りのクリックを 
 明日もまた見に来てね
 

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緊急!柳澤厚労大臣に辞任要求の呼びかけ/「女は産む機械」~進むも退くも失言地獄

2007-02-01 08:00:08 | 市民運動/市民自治/政治

緊急の呼びかけです。

1月27日の柳澤厚生労働大臣の「産む機械、装置」発言に対し、
緊急に明日「厚生労働大臣の辞任を求める申し入れ書」を、
柳澤伯夫厚生労働大臣と安倍晋三総理大臣に送付することにしました。

趣旨に賛同いただける方は、ぜひ賛同者になってください!
お知り合いにも転送していただけるとうれしいです。

・・・・・・・・・・転送、転載大歓迎!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・
「柳澤厚生労働大臣の辞任を求める申し入れ書」提出の抗議行動を行いますので、
賛同される方は下記の申し込み部分に記入して、以下のアドレスまでお送りください。
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送付先:寺町みどり  midori@ccy.ne.jp
midori@kenmin.net
    ごとう尚子 naokogo211@ybb.ne.jp 
締め切り 2月2日(金)正午
(できるだけ早くご返送ください)
・議員は ○○県○○○議会議員と自治体名も書いてください
・市民は 県名で集約します
・団体は 団体名を書いてください(ふりがな)

 +++++++以下をお送りください+++++++ 
          申し入れに賛同します
●自治体議員の場合は、氏名(○○県○○○議会議員)

___________________________________
●市民の場合、氏名(○○県)

  __________________
●団体の場合は、団体名
                 
 __________________ 

★厚生労働大臣の辞任を求める申し入れ書(pdf)
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2007年2月2日
厚生労働大臣 柳澤伯夫 様

厚生労働大臣の辞任を求める申し入れ書(案)

 私たちは、女性、子ども、高齢者、障がい者などの社会的弱者が、年齢や性別にかかわりなく、人間らしく、安心してくらせる地域社会を実現するために、地方自治の現場ではたらく市民派議員および市民です。
 1月27日、柳澤伯夫厚生労働大臣は、松江市内で開かれた講演会で、女性を「産む機械、装置」と表現し、「その数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と発言しました。私たちはこの発言を報道等で知り、強い憤りを感じています。
 いま、地方行政の現場では、「次世代育成計画」、「地域福祉計画」、「男女共同参画プラン」等を策定し、だれもが安心して子どもを産み育て、働くことができる地域づくりに努力しています。これらの施策を担当する厚生労働大臣が、女性の人権を無視し、女性を「産む 機械、装置」であると、権力が支配するかのような差別発言をしたことは言語道断です。
 発言は、安心して産み育てたいと願う人、産みたくても産むことができない人、産まないことを選択した人、すべての女性に対する暴言であり、同時に、生まれてくる子どもに対しての侮辱です。いつ、何人の子どもを産む、産まないかを女性が選択できることは、カイロ国際会議で宣言された「女性の性と生殖の自己決定権(リプロダクティヴ・ライツ)」です。この発言によって厚生労働大臣がこの「権利」を理解していないということが明らかになり、日本の政治家の資質の低さを国際的に露呈しました。
 また、柳澤厚生労働大臣の暴言は、子育てをしやすい環境を整備せず、少子化の原因と責任を女性だけに押し付けようとするものであり、地方公共団体の女性にかかわる施策の推進を妨げるものです。
 このような認識の人が、厚生労働大臣の職につき、今後も大臣を続けることを私たちはとうてい容認できません。また、政治家が自分の発言に対して責任をとるのは当然のことであり、謝ればすむというものではありません。
 よって、わたしたちは、柳澤厚生労働大臣の発言に強く抗議するとともに、厚生労働大臣の辞任を求めます。                           
                                     以 上

             厚生労働大臣の辞任を求める議員と市民のネットワーク
                     愛知県日進市議会議員  ごとう尚子 
                     他 別紙      団体    名
                     連絡先/寺町みどり
                     T/F 0581-22-4989
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今回の申し入れ呼びかけに先だち、1月30日、
4つの団体が提出者(提出団体)となって、
厚生労働省を訪ね、柳澤大臣宛に「申し入れ書」を提出しました。

「柳澤大臣の発言の撤回と辞任を要求します」

わたしも賛同者に加わりましたので、こちらの署名もお願いします。
上記のHPの「署名フォーム」から入れます。


写真をクリックすると拡大。その右下のマークをクリックするとさらに拡大
一期一会のクリックを

ところで、今朝の朝刊各紙は、この問題の特集を組んでいるのですが、
そのなかでも、毎日新聞「クローズアップ2007」で、
関連の興味深い記事を見つけましたので、紹介します。。


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柳沢厚労相、辞任論拡大 進むも退くも失言地獄(2007.2.1毎日新聞)
クローズアップ2007
柳沢厚労相、辞任論拡大 進むも退くも失言地獄
 柳沢伯夫厚生労働相が「女性は産む機械」と発言した問題をめぐり辞任を求める声が与党内にも広がり、一閣僚の軽率な発言が国会冒頭の安倍政権を揺さぶっている。夏の参院選や統一選を控え女性票の離反を恐れる参院自民党では辞任論が先行するが、安倍晋三首相は擁護姿勢を崩さず、与党でも衆参両院で温度差がのぞくなど、政権内でも意見は割れている。柳沢氏をかばい続ければ世論の反発は加速しそうで、逆に更迭しても本間正明前政府税調会長、佐田玄一郎前行革担当相に続く辞任ドミノで、政権はガタガタになりかねない。いずれにしても、政権へのダメージは避けられない情勢だ。

 ◆与党
 ◇「選挙」おびえ、参院強硬
 今回、厚労相更迭論の震源となったのは参院自民党だ。矢野哲朗国対委員長は「続投させたら、民主党に競り負けた04年の参院選以上に厳しい結果を招く」と周辺に語り、柳沢氏が辞任しなければ、今夏参院選に決定的ダメージを与えるとの懸念を示した。04年参院選は安倍首相が幹事長として指揮しながら敗北したいきさつがある。矢野氏は31日昼過ぎ、国会内で塩崎恭久官房長官と会い、柳沢氏の早期辞任による事態収拾を迫ったが、塩崎氏は言質を与えなかった。「やめるなら早くやめた方がいい」と参院自民幹部が語るなど辞任論が広がった。
 参院自民党を束ねる青木幹雄参院議員会長は柳沢氏を擁護する首相の意を受けた官邸側の説得に配慮し、表立った発言はしていない。しかし「(柳沢氏の進退問題は)2月4日の愛知県知事選などの結果いかん」と周辺に語り、世論の反発を見極める姿勢を示した。
 放っておけば女性を中心に猛反発を招きかねない問題だけに、与党側の受けとめは深刻だ。津島派幹部の笹川尭・党紀委員長は「早く手術(辞任)した方が、内閣支持率の回復力は早い。もたもたしていると出血多量になる」と語り、柳沢氏の自発的辞任を求めた。
 ただ、今回は辞任に追い込まれた場合の政権への打撃の深刻さから、自民党の中川秀直幹事長、二階俊博国対委員長ら衆院側の幹部が首相と足並みをそろえて擁護に回り、参院と対照を描いている。中川氏は「任命権者(首相)が言っていることがすべて」と強くけん制した。中川氏らが首相との二人三脚ぶりをアピールするのは、首相官邸と自民党の「不協和音」が強調されることを回避するためとみられる。
 こうした中、対応に苦慮しているのが公明党だ。支持母体の創価学会でも婦人部を中心に柳沢氏への不満が強まっている。しかし、公明党幹部は「我が党が発言すると、辞任の流れが決まってしまう。影響が大きすぎる」と身動きが取りづらい状況を語った。【中澤雄大】

 ◆首相
 ◇「擁護」…危うい賭け
 「いろいろご迷惑かけていますが、(柳沢厚労相には閣内に)残ってもらいますから」
 首相は31日朝、参院本会議前に自民党の片山虎之助参院幹事長に電話をかけ、柳沢厚労相を辞任させる考えがないことを直接伝え、協力を求めた。公明党の太田昭宏代表にも同様の電話をかけ、事態の沈静化に動いた。
 昨年末に相次いだ本間前政府税調会長、佐田前行革担当相の辞任劇では、事態を静観している間に与党側に辞任の流れを作られただけに、首相が「柳沢擁護」の調整に自ら動くのは異例。それだけ事態を深刻に受け止めたといえる。
 就任後わずか4カ月で閣僚2人が辞任に追い込まれれば「首相の任命責任が追及される」(与党幹部)のは自明。政権に与える打撃は極めて大きい。しかも柳沢氏は社会保険庁改革法案などの重要法案を抱え、少子化対策の司令塔を担う存在。それだけに、首相官邸内は当初から「守る」(政府高官)ことで一致していた。
 「多くの女性の心を痛めたことに対し、私も深くおわび申し上げます」。31日の参院本会議で首相がこう陳謝したことに、政府筋の一人は「これでケリをつけたいという強い決意の表れだ」と解説した。
 ただ、擁護姿勢を鮮明にすることは、逆に守れなかった場合の批判が首相に集中することを意味し、政治的な賭けでもある。今後、与党単独で補正予算案の審議を続行できるのか。さらに本予算の審議を柳沢氏を守りながら乗り切れるのか。首相答弁で「これで終わった」(政府高官)と期待する官邸と、与党の温度は隔たりが大きい。【古本陽荘】

 ◆野党
 ◇世論背に拒否戦術
 角田義一前参院副議長の辞任劇で打撃を被った民主党にとって、柳沢氏の失言は降ってわいたような攻撃材料。普段は世論の反発が怖い審議拒否戦術も今回は国民の理解が得られると判断、2月4日に愛知県知事選と北九州市長選の投開票が控えていることも、強硬姿勢を後押ししている。
 「柳沢氏のクビをとる」。小沢一郎代表がこう言って審議拒否を打ち出したのは、29日の衆院本会議で柳沢氏の発言を「人間として許されない」と批判した自身の代表質問終了後だった。国会冒頭の勝負どころと判断したようで、31日は国対幹部の協議に出席し強硬姿勢を指示、同党は柳沢氏が辞任しない限り衆参両院で全面審議拒否を続ける方針を確認した。
 選挙での無党派層対策に苦慮する民主党だけに、失言をフル活用したい思惑ものぞく。小沢氏は、与野党が対決する愛知知事選のテコ入れのため、社民党の福島瑞穂党首とともに名古屋入りする。民主党の鳩山由紀夫幹事長は31日、同知事選と北九州市長選について「柳沢氏の女性蔑視(べっし)発言をどう国民がとらえているかが判断される選挙だ」と記者団に語った。
 共産党も、歩調をそろえつつある。同党は柳沢氏の罷免要求には同調したものの、審議拒否には反対していたが、同日午後の衆院予算委員会には冒頭だけ出席し「審議の強行」に抗議して退席した。1日も審議拒否戦術で足並みをそろえる構えだ。【山田夢留】

(毎日新聞 2007年2月1日)
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