熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

知財力

2010-02-10 20:41:22 | Weblog
日本知的財産仲裁センター主催のシンポジウム「知財・事業適合性評価の展望」に参加しました。

会場は、弁護士会館2階講堂「クレオ」です。

経済産業省室長の基調講演「知的資産経営の推進」に続いて、「知財経営と知財・事業適合性評価の必要性」の講演、パネルディスカッションがありました。

基調講演は、全体像を理解するのには良かったと思います。
パネルディスカッションは、金融機関・大企業・中小企業・データバンクの方々が各々の企業の現状と課題について説明されたので、実情を知る意味ではなかなか良い試みでしたが、惜しむらくは、時間が少ないために具体的な議論に入れなかった点ことです。

「知財経営と知財・事業適合性評価の必要性」の講演は、何度か聞いたことがある内容ですが、講演者の実績という裏付けがあるためか、かなり説得力のある講演でした。

講演の冒頭で、講師が、「企業の知財部門で日常行われているものを説明するので、特に目新しいものはありません」とお話していましたが、確かにその通りです。
しかし、この日常行われている内容を正確に理解して実践している人が極めて少ないのも事実です。
知財コンサルティングが商売になるのもそのためですね。

この講師が、「事業戦略は技術力と知財力とで構成され、競争力は技術力で、持続力は知財力で実現する」と説明していましたが、まったくその通りです。
私の考えとピッタリ一致しています。
実務経験豊富な人の意見は違いますね。

最近の知財に関する講演を聞いていると、「知財は万能である」というような勇ましい内容が多いのですが、企業で実務を経験していた私には、かなりズレテいる内容かなというのが正直な感想です。

企業の商品・技術を他の企業の商品・技術と差別化するのは、技術力であり、知財力は、その差別化された状態を持続することに意味があると思います。
つまり知財力は、サポーター的役割であると言えます(準主役かもしれませんが)。

実務家の意見がもう少し注目されると良いのですが。




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コメント (2)
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