熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

納豆で水の浄化

2010-09-08 19:31:58 | Weblog
テレビ朝日の「スーパーモーニング」で、「納豆」の成分を使って汚れた水を浄化する薬品を開発した会社の特集をしていました。

この会社は、「日本ポリグル」という社員約30名の大阪の中小企業です。

日本人にはお馴染みの食品である「納豆」の成分を使って汚れた水を浄化する薬品を開発しました。

この薬品は、凝集剤『PGα』です。
水に溶けるとマイナスイオンになる『PGα』は、プラスのイオンを持つ水中の汚れと結合し、固まりとして底の部分に沈殿するのです。

除去できる汚れはじつに90%以上です。
納豆のネバネバの成分である「ポリグルタミン酸」が、この驚異的な効果を生み出しています。

開発当初は大変高価なものでしたが、それを大量に作り出せる菌を開発できたことで、『PGα』の商品化につながりました。

『PGα』は、泥水を飲用水にしている発展途上国にも光明をもたらします。
7月にスリランカを訪れた「日本ポリグル」の小田会長は、現地の人々の前で、『PGα』で洗浄された池の水を自身で飲んで見せました。

世界人口のおよそ20%にあたる120億の人々が飲まざるを得ない状況にあるという汚染水。「1トンの水を1ドルで浄化できる」と会長が豪語するローコスト性が、そうした地域の人々に希望を与えてくれます。

これが日本が出来る真の社会貢献です。

久々に明るい、勇気づけられる話題です。

会長は、「この技術を独占するつもりはない。世界中の必要な人にどんどん使って欲しい」と言っていました。
素晴らしいお考えです。

この番組を見て2つのことが思い浮かびました。

一つ目は、このような明るい話題を提供する新聞記事、テレビ番組がほとんどないという現実です。
暗い話ばかりが報道されるので、国民の心理状態は落ち込むばかりです。
明るい話がないのならばしかたありませんが、このような話は多くあります(例えば、先日のブログで紹介した、残したい会社等)。
もっと明るい話題を提供して欲しいものです。

二つ目は、技術の独占はしないという、会長のお考えです。
この考え方は素晴らしいものです。
現在、企業の知財コンサルティングをしている私は、特許権による市場独占、ノウハウ保護による実質的な市場独占を実現する方法をアドバイスしています。
しかし、社会に貢献することが第一で、企業の収益は、社会貢献が実現する範囲で考えれば良いことではないでしょうか。

もっとも、一弁理士が実行するには荷が重い課題です。

社会貢献と企業の利益とをともに実現する、良い方法を考えて行きたいですね。



ブログランキングに参加しています。よろしければ、以下のURLから投票して下さい。

日記@BlogRanking
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする