熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

成果主義

2014-06-13 19:30:53 | Weblog
働いた時間と関係なく成果で賃金が決まる新制度の対象を、政府が「少なくとも年収1千万円以上」の働き手に限る方針を決めたことに対し、経団連の榊原定征会長は12日、「あまり限定せず、対象職種を広げる形で制度化を期待したい」と述べたそうです。

今後、厚生労働省が詳細を詰めるが、できるだけ幅広い働き手を対象にすべきだとの考えを改めて強調しました。

成果主義といえば、私が企業に勤務していた頃に導入されました。

導入前の説明会で、人事部の担当者が成果主義の良いところを盛んに強調していましたが、人件費の抑制が目的であることは誰の目にも明らかです。

しかし、表立って反対すると、実力がないので反対していると見られることが嫌なのか、反対の声はそれほど大きくありません。

大きな反対意見もない中、説明会も終了する直前に、一人の男性が手を挙げました。

その男性は、誰もが認める実力ナンバーワンの研究リーダーです。

当然、成果主義の導入に賛成するのだろうと全員が思っていましたが、「私は成果主義の導入に反対です。」と一言。

全員、ビックリ。

「なぜ反対かというと、私の研究グループが実績を上げているのは、一人の研究者の成果ではなく、実験補助者やデータをまとめる人、それぞれの人が役割を果たしているから成果を上げることができるのです。この成果主義では、縁の下の力持ちが評価されず、それらの人々のやる気が低下し、結果としてグループの成果も低下することになります。あまりにも拙速な成果主義の導入は考え直したほうが良いと思います。」

この意見に全員大拍手。

それでも成果主義は導入されました。

成果主義導入以降の研究成果は落ちているそうです。

人事や経理の人間が研究者の評価を決めるような愚かな制度を導入するとどうなるかは結果を見るまでもなく明らかです。

それにしても経団連会長の思慮の浅さは呆れるばかりです。







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