熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

科学技術の軍事利用

2016-06-02 19:11:41 | Weblog
日本で最近、軍事技術の開発に向けて政府が大学や研究機関と連携を深めています。

防衛省から提供される研究費を得る目的で手を挙げた大学がかなりいるとのことです。

大学の自治、学問の自由、学問の平和利用はどうなっているのか。

ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんは、科学技術は常に政府に軍事利用される恐れがあ

り、科学者にはその自覚が求められると訴えていました。

原爆を開発した米国の科学者たちが71年前、投下に反対しながら防げなかった例を挙げ、

「科学技術が戦争に使われるのか、平和利用されるのかは紙一重。技術は一度、公になれば軍

事利用はたやすくできる」と語っていたことが印象的でしたね。

米国で進められた原爆開発計画「マンハッタン計画」を主導した、物理学者ロバート・オッペ

オッペンハイマーは、米国が核を持てば「抑止力」になると信じていました。

それは戦争を未然に防ぐ手段としてです。

しかし、当時の米政府は科学者の反対意見を押し切って日本に投下しました。

そのため、オッペンハイマーは原爆より威力のある水爆開発に反対しましたが、米政府からス

パイ容疑をかけられ、研究者として活動できなくなりました。

「科学者たちはナイーブだった。自分たちがつくったのだから、言うことを聞いてくれると

思ったが、政府はそういうものではない。米国の政治家は、広島、長崎が目標ではなく、原爆

の開発を進めていたソ連を念頭に置いていた。米国は原爆を誇示する必要があった」と指摘し

ていましたが、その通りです。

世間知らずの科学者は悪い政治家や官僚に利用されやすいので、注意が必要です。

人の意見には、その人の見えない考えが潜んでいるので、注意深く観察することが必要です。

騙されたでは済まされません。







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