きょう、立春。きのうまで、春を思わせる陽気だったが、一夜明けて寒くなっている。「冴返る」というのは、春めいて体がその陽気になれたころ、今日のように寒気が戻ることだ。気温の乱高下は体調の維持も難しい。インフルエンザが流行のきざしを見せているから注意が必要だ。
冴返る音や霰の十粒ほど 正岡 子規
こんな季節につい口をついて出るのは「早春賦」だ。この歌を口ずさめばいくつになっても青春の甘酸っぱい思いが甦ってくる。
春は名のみの風の寒さや
谷の鶯歌は思えど
時のあらずと声も立てず
時のあらずと声もたてず
大正2年の『新作唱歌』の一篇である。歌詞は東京音楽学校教授の吉丸一昌。青春の日、この歌を口ずさみなが、春が来るのを待ち焦がれた。降り積もった雪は溶けだし、朝固雪のなかを近道して学校へ通った。先生が弾くピアノに合わせてこの歌を合唱した同級生の顔が浮かんでくる。
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