銀行の景品に桜草のミニポットを貰ってきた。雪ばかりに悩まされている身には、この花のピンクがうれしい。冬に逆戻りしたような日々だが、花をみるとやはり春はすぐそこだ。桜草は鉢植えでなければ5月ごろに咲くが、ポットに咲いた花をテーブルに置くと、春の香りがする。プリムラという洋風の名もついいている。そのほかに常盤桜、乙女桜、雛桜などなど可憐な名がついている。
わがまへにわが日記桜草 久保田万太郎
ビニールハウスという日本の発明が季節をなくした。「無季の花が無節操にいつでも咲いている」と言ったのは、コラムニストの荒垣秀雄である。花だけでなく、野菜も季節を問わず出回っている。季節はづれの大雪に、スーパーの店頭にある筈の花や野菜が姿を消してしまったのは、現代文明の弱点を表しているのであろう。