常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

雪の詩

2014年11月16日 | 漢詩


昨夜、テニスのツアーファイナル準決勝で錦織選手がジョコビッチに挑戦した試合をテレビで見る。早い決着であったが、錦織選手の方にも勝機があっただけに惜しい敗戦であった。寒気が居座って、山にはさらに雪が降る。雪化粧した瀧山は、陽射しによって刻々とその表情を変える。この山を見ると、その自然の厳しさが伝わってくるが、きのうまでの木々が紅葉しながら葉を落としていった姿が、もう過去のものになっている。

漢詩の本を開くと、冬の季節に意外と心を打たれる詩が多いことに気づく。こらは私だけの趣向なのだろうか。白居易の「夜雪」など、詩の行間から雪の景色が自然と浮かび上がってくる。

巳に衾枕の冷やかなるを訝り

復た窓戸の明らかなるを見る

夜深くして雪の重きを知る

時に聞く折竹の声

この詩は難しい表現はない。夜具がいかにも冷たいのでどうしたことかと思って頭を上げると、窓や戸口がいやに明るい。これは月の明かりではなく、雪あかり。夜に外は雪が降り積もっているのだ。雪は重いほど降り積っている。その証拠に竹が雪の重みに耐えず折れる音が時々聞こえてくる。

雪を踏んで低山を歩くのが、これからの季節の楽しみでもある。春の新緑、秋の紅葉、そして山に降る雪の白さは、どの季節よりも美しい気がする。この冬は何度、美しい冬山を見られるのであろうか。


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コメント
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