常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

小春日和

2014年11月20日 | 日記


「寒い日があるかと思うと、またばかに暖かい日がある。それからまたいっそう寒い日が来る」と、小春日和のころの天候の移り変わりをこんな風に書いたのは、島崎藤村であるが、その通りに秋は冬へと向かっている。そのいっそう寒い日に悲報が届いた。ひとり暮らしをしていた義兄が、風邪をこじらして肺炎で緊急入院したが、医師の手におえずついに帰らぬ人となった。

人が亡くなると、見送りに来る人の口にでるは、生前の、それも若き日の回想である。長い月日、父との行き来を閉ざしていた娘は、会いたいと思っていた胸のうちを明かした。何も恐れるもののない、自信に満ち溢れたころの生き様を回想すると、人生というものが、ほんの少し見えてくる。もう会えなくなってしまって、初めて分かる人の心がある。

死にせれば人は居ぬかなと嘆かひて眠り薬を飲みて寝んとす 斉藤 茂吉

思えば今年は、大きな出来事が重なってやってくる年である。義母の入院から、同居。娘の舅の入院、そして義兄の死。それは、周りの人々が高齢になったことから起きる必然でもある。こうしたものを背負いながら、今後を生きていくことになる。民生委員の方の言葉が重い。「介護には覚悟が必要ですよ。」


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