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二日ほど、小春のような日である。畑にエンドウを蒔き、不要になった支柱などを片付けた。モミジも、葉を落とすのに忙しい。公園に人影もなく、ベンチに腰をかけて話し込んでいるカップルも、つい見過ごしてしまうような寂しさである。
石ばしる初瀬の川の浪枕はやくも年の暮れにけるかな 藤原 実定
急流で知られる初瀬川の流れのように、あっという間に年が暮れてしまった。まったく、この歌が実感されるような、昨今の月日の過ぎるのが早い。実定は、自分の出世に意を用いた人物である。かねて狙っていた左大将の位を平重盛に先に就かれたのが口惜しく、一計を案じて、平清盛の信仰する厳島神社に参籠して、そのことを神社の巫女から清盛の耳に入れたの、感激屋の清盛は感心して、重盛を罷免して実定を左大将に就けたという話がある。つねに、このような画策に忙しかった実定には、一年が経つのんも光陰矢の如しであったのかも知れない。
実定の歌として知られているのは
ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる
で「百人一首」のも採られている。
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