墓参りに行くお寺には、百日紅が咲いている。お寺の屋根に、赤い花がひときは引き立っている。今年は13日の雨もよいの日に行ったが、駐車場が満杯になるほどの人がきていた。近所の店から、墓に供える花を買う。考えてみれば、畑があるのだから、墓に供える花を植えれば、貧弱な花を買うよりよほどいい。地獄のなかで苦しんでいる先祖の、年に数度しかない施餓鬼だから墓に供える花は大切だ。
こまかなる光を連れて墓詣 能村登四郎
畑は除草まで手がまわらない。北アルプスの縦走のため、脚を鍛える必要がある。しばらく、野菜たちにはがまんしてもらって、収穫を優先する。そうして倹約した時間を使って、千歳山に登るのを日課にする。今度行く雲の平にある大自然の庭には、名前がついている。日本庭園、祖父庭園、ギリシャ庭園、スイス庭園、アラスカ庭園、アルプス庭園などなど、ユニークな名前だ。こんな名前の絶景に、どのような感情が刺激されるのだろうか。出発まで一週間を切った。