昨日までの寒さはどこにいったのか。今日は一転して小春日和。畑で大根とキャベツを収穫した。去年は春まで畑において雪が融けてから収穫したが、今年も春まで十分にもちそうな気配である。大根やキャベツは雪の下から掘り出すのは、野菜の甘味をだしておいしい。ニラやアシタバも施肥や雪囲いをする。-5℃という日もあったのに、野菜たちは何事もなかったように畑で自分の存在を示している。
今年畑に行くのはもうあと1,2回であろう。せいぜい少しだけ成長したコマツナやナツナを収穫するだけかも知れない。12月の園芸家は、庭が雪に沈んだころに思い出すことがある。それは、じっくりと庭を眺めることである。誰もが不思議に思う。そんなバカなことが、と。あれほど、毎日庭に出て、飽きることもなく手入れしていたのに。何で今頃?
チャペックは大まじめに、「まあ、聞き給え。園芸家にはそんな暇がなかったからだ。夏、花の咲いているリンドウをとっくりながめようと思うと、芝生の雑草をぬくために、途中で立ちどまることになる。・・・ありがたいことに今はなにもかもおしまいになっている。どうだ、園芸家、きみの庭をはじめてしみじみながめに行っては?
春の陽気になるまで、畑のことを置いて、少しゆっくりできる。だが、時間はますます早く過ぎていく。ゆっくりしたと思う間もなく、種まきや苗の定植する時間が来てしまう。人生には何ものにも邪魔されない時間などないのだ。