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昨夜、寝る前に窓の外を見ると、大粒の雪が舞っていた。朝、起きると道路や地面に積雪はなく屋根にうっすらと雪が見える。初雪の景色がである。太陽が昇って、屋根の雪もすぐに解けていく。この冬は雪が多いとの予報である。白居易の「夜雪」の詩文が懐かしい。
已に衾枕の冷やかなるを訝り
復た窓戸の明らかなるを見る
夜深くして雪の重きを知る
時に聞く 折竹の声
「雪明り」という言葉がある。夏の夜には、月明かりもない夜は、すぐ傍の人影すらも見えないが、冬のよるは、たとえ曇り空でもほんのりと明るい。そんな夜は、布団のなかでも寒い。それにしても冬の夜は静かだ。陶淵明の詩のフレーズが口の端にのぼる。「日入って群動息み/帰鳥林に趨きて鳴く」。こんな雪のなかを目指すには、心中に堅い決意を持たなければならない。