
明日は冬至、昼が一番短い日になる。これを過ぎると、次第に日が伸びていくことになる。一陽来復はここからきている。妻が一日前倒して冬至カボチャを煮た。これを食べると、風邪を引かず健康に過ごせるという、言い伝えがある。昔は近所の人たちが、自分の家で煮たカボチャを交換して、その効用を高めるという習わしもあった。
歳時記を引くと、「冬至粥」からこの風習が始まったらしい。お隣の中国から来た風習である。
中国の共工氏の子が死んで、疫鬼になった。この鬼は恐ろしい病をふりまくので皆が怖がった。ある古老がこの疫鬼は赤豆粥を畏れるということを教えたので、冬至の日には赤豆を入れた冬至粥を食べるようになった、と解説してある。
この風習が日本に伝わり、冬至粥に代わって小豆カボチャが食べられるようになったらしい。そのために、これを食べると風邪もひかずに年が越せる、というありがたい風習が広まることになった。言い伝えは別にしても、カボチャも豆も体によい食べ物であるから、この風習はずっと残していきたい。
冬至粥土鍋の蓋のことことす 小野内泉雨