畑仕事をしていると郭公の鳴き声がしきりに聞こえてくる。初夏にならないとこの声が聞こえないが、変化のない単調なものだが、なぜか懐かしい気持ちにさせられる。北海道に住んでいたころ、あたりが深緑に覆われるころ、この鳴き声を聞きながら学校への道を歩いたことが、ふと頭に浮かぶ。この鳥は、オオヨシキリの巣に托卵して、こどもを育てさせるという人間には考えられないような習性を持っているが、鳴き声は実にのんびりしている。
雲垂れて郭公これにひゞかへり 水原秋桜子
昨夜来、野菜たちにとってはうれしい雨になった。土はずっしりと雨を含んで、野菜が生き返ったように元気になった。手無しインゲン、普段草の種を蒔き、キュウリやトマトの支柱を立てる。畑に蒔いたズッキーニはそろって芽だしを終えた。