常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

採れたて野菜

2017年06月21日 | 農作業


野菜作りをしていて一番楽しいのは、初もぎを迎える時だ。朝の冷え込みのなか、やっと成長してきた野菜たちは、ストレスをかかえながら、実をつける態勢に入る。そのため初もぎには、当然、曲がったキュウリやナスが入ってくる。しかし、その形態を補ってあまりあるものは、その味わいである。この季節の野菜はどれも皮が薄くやわらかい。やさしい春のひざしをうけて、その味にもどこかやさしさが感じられる。

揉まずして食ふる胡瓜や荒々し 相生垣瓜人

採りたてのキュウリを揉んで、酢の物して食べると、しみじみと初夏の季節を感じる。きのうから梅雨前線が北上して、今日は風交じりの雨となった。乾燥しずぎでストレスを感じたいた野菜たちには恵みの雨である。同時に、スベリヒユなどの雑草が、勢いを増す季節でもある。この地方の知恵に「ヒョウ干し」というものがある。梅雨の湿気を吸って大きく成長したスベリヒユをさっと茹でて乾燥させる。野菜の切れる冬に、これを戻して煮物する保存食だ。太陽を浴びた「ヒョウ」は、ひなびた田舎の味わいである。もちろん、新鮮なものをお浸しにして、辛子醤油で食べてもおいしい。
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