雨模様が続いて、今年はもう紅葉は見られないかと思っていたが、加無山は拾いもののような山行になった。真室川町の旧大滝小学校わきの林道を、加無山登山口に入る。林道はトラックの轍ができて、やっとの思いで車を走らせる。登山口の駐車場に2台の車が停車していた。いずれも庄内ナンバー、この山は庄内地方や秋田から来る方がよほど近い。登山口で心配していた雨も上がり、スパッツを着用して山道に入る。
加無山は、標高997m。1000mに満たない山であるが、荒々しいスラブの壁、深い沢、所々に崩れた斜面にトラバースの道を切った危険個所もある。いわば、手つかず自然のままの景観が残された、険しい山塊と言える。本日の山行メンバー4名、内女性2名。
川を渡って先ず目につくのが、カツラやブナの巨木。加無沢出合を過ぎて、加無沢沿いの登山道を行くと、千畳岩が見え、その岩に張り付くように生える木々の紅葉が見事だ。ゆっくりと紅葉を目に焼き付け、登山の楽しさに浸る。渓流を2,3度渡って。ブナの広場に出る。このあたりには、秋の味覚のキノコが出始めていた。サワモダシ、ブナシメジ、ブナカノカ、ナメコがたくさん出ているのに驚く。そういえば、もう20年も前にこの山に初めて登り、倒木だけでなく、そのまわりの土からもサワモダシが取りきれないほどあって、仲間と大喜びをしたことを思いだした。この付近の標高が500m、4㌔ほど歩いても高度は稼がれていない。
雨に濡れたトラバースの道で意外に時間を取られる。3時間半ほどかかった、女加無山の裾で昼食。ここまでで、先へは行かず下山することを決断。出ていたキノコ狩りに目的を変える。台風前の奇跡的な雨の晴れ間、見事な紅葉、そして今秋初めてのキノコの収穫と、思い残すことのない山行になった。真室川の梅里苑の温泉に浸かって疲れを取り、尾花沢車屋で味噌ラーメン。歩行距離9・2㌔、歩数18000歩。下山3時45分。