常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

2017年10月03日 | 日記


酒田の刈屋地区にに刈屋ナシという名産のおいしい梨がある。先ごろ日本海沿岸を通過した台風で、収穫前のこの梨が、大きな被害にあったことはいたましいことであった。山形県は果物がおいしい県だが、庄内柿やブドウ、フジリンゴなど主役の陰で目立つ存在ではないが、小粒のこの梨は、食べてしまうのが惜しいような、上品な甘さだ。梨の俚諺に、「梨の皮は乞食にむかせ、瓜の皮は大名にむかせよ」というのがある。これは、梨の皮は薄く、瓜の皮は厚くむけというアドバイスである。皮のすぐなかの果肉が、甘いので少しでも大きく実を残すという、けちくさいむきかた適しているためだ。

真夜覚めて梨むきゐたりひとりごち 加藤 楸邨

梨をわざわざありの実という向きもあるようだが、これは梨が無しという読みに通ずるためで、梨のつぶてなども同じ語呂合わせである。投げたつぶてが帰らないように、音さたのないことのたとえに使われる。そういえば、東京にいる娘も、すっかり音さたがないが、新米が出たので、故郷の味を届けようと考えている。
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