先週、鳥海山、月山に初冠雪が観測された。秋が深まっていくのが早い。公園のカエデも次第に色づき始めた。草むらには、虫の鳴く音が大きくなっている。瀧山の尾根が、赤く色づくのが見えたきた。もう蔵王などの高いところでは、錦秋になっているであろう。以東岳以来、山歩きができていない。今週、県南の豪志山へ行く予定であるが、おそらく美しい紅葉が見られることを期待している。
秋は来ぬ紅葉は宿にふりしきぬ道ふみわけて問ふ人はなし 古今和歌集 詠み人知らず
歌は紅葉にことよせているが、恋しい人が訪ねて来ない寂しさが、詠嘆の中心になっている。親しい人と連れ立って行く、紅葉狩りは宮廷の貴族たちの格好の秋の楽しみであった。
万葉の奈良時代には、「もみじ」はコナラやクヌギ、またカシワなど黄色に色づく木が愛され、字も黄葉と書いてモミジと読んだ。赤く色づくカエデが、好まれるようになるのは平安京へ遷都してかららしい。宮廷には多くの女官が使え、女性文化が広まったのも紅葉が好まれるようになった理由らしい。秋の野山に出かけて、紅葉を楽しむ「紅葉狩り」が貴族の間で大流行した。その傾向はいまだに続いている。京都嵐山の紅葉狩りや高山の紅葉を求める山歩きなども、女性が中心になっているような気がする。