一昨日、夕方の空に半分ぐらいの月がかかっていたが、今日は中秋の名月。残念ながら、雲が多くて月を見るのはできそうもない。月餅という菓子がある。これは、中国の慣わしで、中秋の日に食べる菓子である。餅はピンと読むが、日本の餅とは違って、小麦粉をこねてまるく伸ばして焼く。丸い形は満月を表しているのだろうが、家族が集まって団らんする様子も同時に表現している。菓子ひとつにも、家族の無事や和気の願いが込められている。
三五夜中新月の色
二千里外故人の心
白楽天がこの名月の夜、空にかかる明月を見ながら、辺境の地へ流された友人を思いやった詩の一節である。遠くにいても、空に出ている月は同じである。先月、北海道へ行って、ラインの友達が3人できた。昨日は、札幌ドームで日ハムの勝利を知らせてきたが、今日は大谷の雄姿を間近で見る最後のチャンスである。どんなニュースを届けてくれるか。札幌の空に見える名月のコメントも届くのか、楽しみである。
枝豆を食へば雨月の情あり 高浜 虚子