知人から無花果の砂糖煮をいおただいた。庭に一本の樹があるだけで、この季節になるとたくさんの実をつける。木で紫色に熟すると、生食でも十分においしいが、冬の保存するために砂糖で煮たものもおいしい。その家で甘さにこだわりがあるのか、微妙に味に差がある。無花果は、歳時記をひくと、「いちじゅく」と表記されている。解説に熟するのにひと月かかるので、こう呼ばれるとある。無花果と漢字をあてるが、花がないわけではない。夏になると葉脈の部分に卵型をした袋ができる。この内部に花ができていて、そのまま実になっていく。鳥は実が熟するのを待って、食べにくる。ヒヨドリの好物であるらしい。
垣隣りなる無花果ももがれけり 尾崎 迷堂
明日から、流山から沼津へ。北海道の旅が終わったばかりだが、半年ぶりに娘や孫に会う。沼津では、旬の魚を食べるのが楽しみである。