常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

秋草

2017年10月09日 | 日記


打ち捨てられた空き地の雑草も、この季節には心にせまる趣きをかもし出す。まして、それが歴史を持った宮廷の廃墟ともなれば、そこを訪れる詩人に、懐旧の念をよびさます。唐の詩人高適は、漢の宮廷の跡を訪れて、その栄華を偲んだ。

悠悠たり一千年

陳迹惟だ高台のみ

寂寞として秋草に向かえば

悲風千里より吹く

またドイツの叙情詩人クロアサンに「秋」と題する詩がある。

秋風わたる青木立

葉なみふるひて地にしきぬ。

きみがこころのわかき夢

秋の葉となり落ちにけむ。

洋の東西を問わず、秋には寂寞の情がそこはかとなく人の心に宿る。華やかな紅葉もいくばくもなく、冷たい秋風が吹き落としていく。
コメント
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