常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

槍からの帰還

2018年08月29日 | 登山

今回の槍ヶ岳は、わが山友会の今年のメイン

イベントである。8月26日の未明に山形を出

発、29日に日付が変る時間に帰るという強

行日程だ。

結果を先に書けば、快晴、適度な風に吹かれ

て登るという条件に恵まれ、参加した6名全

員が元気に登頂を果たし、頂上でハイタッチ

と歓声が上がる光景が見られた。穂先から降

り、着替えと荷物の整理を済ませると、全員

で登頂を祝って生ビールで乾杯。そのおいし

さはいつまでも忘れられないであろう。

3日目の下山の未明、快晴だった空は雨と風

となった。下山の時間、(5時30分ころ)に

なって、風は止み立ちこめる霧の中の下山と

なった。山荘から上高地までルート距離20.

3キロ、標準タイムで7時間30分、高齢の会員

には厳しい日程だ。

10時半に槍沢ロッジ着。ここで早めの昼食。

預けておいた荷物を受け取り、さて出発だ。

外を見ると本降りの雨となった。雨具、ザッ

クカバーで完全防備、上高地でのバス時間に

間に会うような歩行となった。雨具を通すよ

うな雨だが、不平を漏らす人は誰もいない。

昨日、青空のもと、直にに触れた槍ヶ岳の壮

大なスケール、頂上から見渡す大パノラマ、

槍の穂先の岩一つ一つのはじめての感触が、

喜びとなって残っているからだ。

午前1時近くの帰宅となったが、自分のなか

に変化が起きていることに気づいた。雨に

濡れた登山靴、ザックのなかで濡れている

下着やウェア、そのひとつひとつが愛おし

い。寝る前に袋から取り出して洗濯の準備

をする。この3日間、自分を守ってくれた

道具たちへ、いままでにない感謝の気持ち

が起きて来る。この年になって、この自然

に触れることを支援してくれたすべての人、

特に妻、すべての物、もしいるとすれば神、

に感謝の気持ちを伝えたい。

アメリカの詩人、E・E・カミングスに次ぎ

のような詩がある。今の心境を語るとすれ

ばこの詩の言葉が似つかわしい。登山の詳

細は、このブログで少しづつ書いていく。

 

神よ私はあなたに感謝を捧げます

まず、この最高に素晴らしい日について感

謝します

元気に跳びはねている木々の精霊について

感謝します

空の青い真実の夢について感謝します

そして、自然で、無限で、「然り」と肯定

できるすべてのものについて感謝します

 

 

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする