常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

敗戦日記

2018年08月14日 | 日記

ベランダでサボテンが大きな花を三輪開いた。

花を写真に収めて、空を見上げる。雲もなく

今日も暑くなりそうだ。本棚から高見順の『

敗戦日記』を取り出す。高見順の日記の昭和

20年を抜粋したものだ。8月15日のところ開

け拾い読みをする。

 

12時時報。

君ガ代奏楽。

詔書の御朗読。

やはり戦争終結であった。

君ガ代奏楽。ついで内閣告諭。経過の発

表。--遂に敗けたのだ。戦いに敗れたの

だ。

夏の太陽がカッカと燃えている。目に痛

い光線。烈日のもとに敗戦を知らされた。

蝉がしきりに鳴いている。音はそれだけ

だ。静かだ。

(中略)

新橋の歩廊に憲兵が出ていた。改札口に

も立っている。しかし民衆の雰囲気は極

めて穏やかなものである。平静である。

興奮しているものは一人も見かけない。

 

田村町の新聞売り場で、高見は新聞を買

う。新聞売り場にだけは、延々と続く行

列ができていた。高見が買った特別号の

東京新聞のお見出しには

戦争終結の聖断・大詔渙発さる

高見が見たこの日の東京の様子は、日本

人の性格をよく現している。どのような

大事件が起ころうとも、日本では大衆が

暴発するようなことは起きない。

 

コメント
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