常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

台風

2018年08月09日 | 日記

台風13号(サンサン)が、仙台沖を通過

中。テレビでは、海にできる波の花や白

波の様子を映し出している。時速20㌔と

いう遅い速度で北上しているので、なか

なか台風一過とはならない。この地方で

は少しの雨、風もそれほど強風とはなっ

ていない。

台風の白浪右往左往して 山口 誓子

夏目漱石に『二百十日』という小説があ

る。友人と阿蘇を旅し、台風のなかで山

中で道に迷って往生する話が出て来る。

「時計はもう五時に近い。山のなかば

 はたださえ薄暗くなる時分だ。ひゅ

 うひゅうと絶間なく吹き卸す風は、

 吹くたびに、黒い夜を遠い国から持

 ってくる。刻々と逼る暮色のなかに

 嵐は卍に吹きさむ。噴火口から噴き

 出す幾万斛の煙は卍のなかに万遍な

 く捲き込まれて、嵐の世界を尽くし

 て、どす黒く漲り渡る。」

二人は、道に迷って途方に暮れるが、強

がりの冗談を言いながら山中を右往左往

する。そして、その日が二百十日である

ことを思い出す。

行けど萩行けど薄の原広し 漱石

この遭難寸前の難儀を詠んだものであ

る。この旅に同行した友人は同僚の山

川信次郎教授である。

 

コメント
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