あまりの暑さに窓を開放。部屋中に蝉の
鳴き声が響いた。木立のなかの蝉しぐれ
を聞くようだ。鳴き声の方に近づいて見
ると、ブラインドの開閉用の紐に、蝉が
止まって鳴いている。ここには緑陰があ
るわけでないが、外よりは幾分涼しいの
かも知れない。こんな小さな身体のどこ
から、これほど大きい声が出るのか、不
思議である。
夕蝉やいつほどとなく日のつまる 汀女
7月が暑かったせいで、夏なのに蝉が鳴
かないと不思議であった。学校の夏休み
が始まると、毎年蝉の声を聞いたものだ
が、今年は7月も末近くなってようやく
鳴き始めた。蝉の抜け殻を見る前に、熱
いアスファルトの上に、蝉の死骸を見か
ける。畑には、もう生らなくなったキュ
ウリ。雨の降らない日々は、まだまだ続
きそうだ。成長できないでいる野菜たち
を見ていると、野菜の値段が高騰するの
もうなづける。
この気候異変で、豊漁を報じられている
ものがある。ヒラメ網に掛ってくるワタ
リガニ。海水温の上昇とともにその漁獲
量は平年の300倍にも達しているという。
逆に不漁はサンマ、サバ。気候の変動は
食卓の風景すらも変えつつあるらしい。