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昭和5年10月26日、種田山頭火は九州に行乞の旅に出ていた。飄々と旅から旅へ、流転の日々である。そんな山頭火の目に映るものは、自然の美しさである。
ほんとうに秋空一碧だ、万物の美しさはどうだ。秋、秋、秋のよさが心身に徹する。(『行乞記(一)』
もぎ残された柿の実のいよいよ赤く 山頭火
山頭火の時代だけでなく、今でも柿の実は秋の風物詩だ。山村にも、もがない柿の実が、葉を落としても雪が降るまで残っている風景。しかし、山に食べものがなくなった熊が、この柿を目がけて里に降りてくる。この秋は、熊の目撃情報がダントツに多い。人が熊に襲われて怪我をしたニュースが後を絶たない。秋の風物詩も、冬ごもりの準備の熊の標的になっている。