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紅一点、緑に埋まるようにして尾を上げているトンボが見えるだろうか。世界で一番小さいトンボ、八丁トンボである。上山の西山に、山の仲間の案内で、絶滅危惧種と言われる八丁トンボを見て来た。このトンボの生存環境は贅沢と言っていい。先ず、きれいな湧き水が絶えないこと。背の高い植物が繁茂していること。鳥などの天敵から身を守らねばならない。その浅い水のなかで、タマゴから孵ったヤゴが越冬できる気温。
西山にある八丁トンボの生息地はごく狭い。30坪もあるであろうか。そこで飛んでいたのは赤い雄が3尾、雌が1尾。カメラのシャッター音に気付くのか、ふと飛び上がってもも数㍍ほどしか移動せず、すぐに草の葉に止まる。写真は撮りやすいと言っていいのだが、なかなかその姿を写し撮るのは難しい。ネットにある写真で確認していただく。
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体長17㎜、五円玉ほどの大きさしかない。八丁の名は名古屋の矢田鉄砲場八丁目で見られたため、この名になったという。何か八丁味噌の名の由来を思わせる。西山の生息地には古い看板が立っている。このトンボを見た小学校の生徒の感想のような文章が記されている。トンボが番で飛ぶ様を楽しげに書いてあった。
秋津とは秋の虫、トンボのことだ。神武天皇が国見をした時、日本の国の形が番になったトンボの形に見えた。そのために日本のことを秋津洲と呼んだと、日本書記に記されている。トンボは古来、神聖なものとして伝えられてきた。こんなに小さな八丁トンボの形にも、秋津洲の形が見て取れる。