昨日、夏至を迎えた。夏至は特別の日である。冬至から夏至までが一年の前半、夏至から冬至までが後半である。太陽が最も高いところを廻り、昼が一番長く、夜が短い。この頃、鹿の角が落ちて新しい角が生えてくる。中国の歳時記にこの日粽(ちまき)を食べると記されている。金の詩人、張秉文の詩を読んでみる。
玉堂に睡起して苦に茶を思う
別院の銅輪露芽を挽く
紅日階に転じて簾影薄し
一双の胡蝶葵花に上る
玉堂は都で執務室、別院では銅の臼で茶葉を挽いている。執務室で、しきりに茶を飲みたくなるほど暑い日だ。真っ赤な太陽が中天に上り、地上では一対の蝶々が、タチアオイの花の辺りを飛んでいる。夏至の情景がそのまま描かれている。