木瓜の花
2022年04月16日 | 花
木瓜が花を咲かせると、思い出すのは漱石だ。漱石は木瓜の花が好きだったらしい。何でも愚直に生きた人が死んで、生まれ変わって来るのが木瓜の花、という話を信じていたらしい。路傍のスミレも好んでいたし、梅の花を多く句に詠んでいるから梅も好きだったと思える。その伝で言えば、花の句で一番多いのが桜だから、桜を一番好んだことになる。
名は桜物の見事に散ることよ 漱石
台風一号が東の海に去って、やっと陽ざしが戻った。坂巻川の桜の花は、予想通り三分ほども散ってしまった。蕾のうちに桜を見る時間の方が長い。期待値が高いために、咲くはずもないのに何度も見るからだ。今年のように、真夏のような気温になると、どう考えても散るのは早い。せめて、霞城のお濠に浮かぶ花筏をこれからの楽しみにしたい。