
フランスの哲学者アランは『幸福論』を書き、何も努力しないで幸福になることはできない、と説いた。先ず、上機嫌の波を自分の周辺から広げること。
「微笑すること、親切な言葉、善い感謝の言葉をいうこと。冷淡な馬鹿者に対しても親切にすること」
アランは日常の生活で、幸福になるためのノウハウを、このように細かく書いている。哲学の日に読むべきは、人生を豊かにする、こんな本か。
幸福には三つの種類があると説くのは、脳科学者の樺沢紫苑だ。ベースになる幸福は「やすらぎ」「癒し」「気分」の幸福感。これを手に入れた時、脳内にはセレトニンが分泌される。入手方法は至って簡単、朝の散歩、呼吸エクササイズ。スマホのヘルスケアはよくできている。ヘルシィ・リビングで睡眠、散歩、呼吸、笑顔を毎日記録、この幸福感を手に入れるのを助けてくれる。
幸福の第二は、つながり・愛。安定した人間関係でもたらせる幸福感だ。人に親切にして上機嫌の波が、近くの人に及んだとき、脳内にはオキシトシンという物質が分泌されている。手に入れる方法はスキンシップ、コミニケーション、ペットとの触れ合い、親切、社会貢献など。
そして最後に成功、スポーツでの優勝、目標達成による幸福感。この時脳内にはドーパミンが分泌されている。この幸福感は、特別なもので、健康や人間関係の上に初めて得られる。人生はこの目標だけを目指してはならない。
「生きる意味を考える」ことも哲学の日にふさわしい。立川談志にこんな言葉がある。「なんで生きるかというと、死ねねえからだよ」。生きているという現実が先にある。その意味は、哲学者といえども知ることはできない。