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米沢市の北西に屏風を立てたように広がる斜平山(なでらやま)。標高660mの細長い山地は、春の訪れ確めるにはもってこいの里山だ。里の市街地はすでに多種類の花が咲き乱れるが、山中には、残雪、桜、マンサク、辛夷に加えてブナを初めとする樹々の新緑が始まっている。林道を愛宕神社まで進めば、その先の稜線は、まさに春の饗宴といった趣である。クロモジが芽を吹き、ホウノキの大きな葉が広がり始めている。雪が残る斜面に広がる新緑に眼を洗われるような思いがする。
新緑の椎の最も昂れる 百合山羽公
春の山にきて改めて思い知らされる山の魅力。それは、初夏があり早春があり、加えて冬の名残りを見る季節の重層性である。それが織りなす景観は、いつも新鮮な感動を与えてくれる。
斜平山の尾根道は、峰道と新奥の細道の二筋の参道がある。その山道に挟まれるようにして空堀の跡が、まるで渓のような地形をなしている。ここからは米沢市街を一望でき、戦国の世では、敵の進入を見る監視所として絶好の地形だ。歴史を通じて、ここに山城が築かれるのは自然のことだ。そして、現代ではここに電波塔を建て、テレビやスマホの電波の中継点として使われている。いわば、地形がこの地のインフラの基となっている。
尾根道はおよそ3㌔。方々の集落から登る登山道が設けられている。雲が広がり、見えるはずの飯豊や朝日連峰の山々は霞んで、感動の景観は得られない。時おり強い風が吹きつける。それでももう初夏の気温である。電波塔のある笹野山(661m)頂上には、残雪の上に桜が咲き誇って一行を迎えてくれた。
通り雨がパラパラと降るなか、建物の陰で弁当開き。足の負担を軽減するトレッキングシューズ、「ホッカオネオネ」を新調。この日デビュウした。あまりの軽さに、スニーカー感覚であるながら、外ソールの弾力性と安定性で快適な歩きとなった。靴への信頼感が、ゆとりの歩きを実現してくれる。高齢になって、脚力の減退する足に、強力な助っ人となってくれた。
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