常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

華鬘草

2017年05月02日 | 日記


お寺の庭にいくと珍しい花が咲いている。写真の花は華鬘草で、仏具の華鬘に花の形が似ているのでこう呼ばれている。中国から渡来したケシ科の花であるが、寺の庭に植えてものが広がったように思われる。華鬘とは花輪のことで、もともとは生花を編んで輪をつくり、仏像の手や首に懸けて供養するものであった。後に中国や日本で、金属や木で花を象って作ったものを、仏堂に飾るようになった。中尊寺には国宝として有名な金銅華鬘がある。写真で見ると、団扇のような形をしており、言われてみれば、華鬘草の花の形に似ているようだ。釣り竿の鯛がかかったような形でもあり、タイツリ草という別名もある。

けまん咲く道消えがちに殉教地 桂樟 蹊子

この花はお寺の近くにある妻の実家の庭に育っていたものだが、裏の空き地に移植したが、元気に育って毎年、連休のころ可憐な花をみせてくれる。何故か、現世を逃れ、飄々と乞食の旅を続けた山頭火が偲ばれる。折からの風に、華鬘草の花が吹き乱れる。「浮草のように・・・。水は流れる、雲は動いて止まない。風が吹けば木の葉が散る、魚ゆいて魚のごとく、鳥とんで鳥に似たり、それでは二本の足よ、歩けるだけ歩け、行けるところまで行け。」こんなことを胸に、山頭火は旅を続けた。足元には華鬘草の花が風に吹かれていたかも知れぬ。
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エンドウ豆

2017年05月01日 | 農作業


昨年の晩秋に蒔いたエンドウ豆が、枝を伸ばし花をつけた。支柱を立て、枝を上に伸びるように紐で支柱に結ぶ。いよいよ、春野菜の苗を植えるための準備が始まった。耕した土に堆肥を施し、畝つくりを少しづつ始める。伸び始めたニラは、少しづつ収穫して日々の食卓に登る。冬の間、忘れてしまっていた新鮮野菜の、甘い味を取り戻しはじめた。今年の楽しみは、去年植えたアシタバの株が成長したことだ。心配した冬を越し、新芽を霜に痛めつけながらも、初夏の陽気に元気な若葉を伸ばし始めている。

豌豆の咲く土ぬくく小雨やむ 飯田 蛇笏

血液中の鉄分不足で、疲れを感じる体にはニラレバがいい。春は体がこの食べ物を自然に欲しがる。これを食べた翌日には、昨日の疲れが忘れたようにシャンとなる。朝の豆腐の味噌汁に、豆腐が浮上ったころ、刻んだニラを一握り入れて、煮立ちばなに七味をふって食べる方法を教えてくれるのは、辰巳浜子の『料理歳時記』。この本はいつまでも古びることなく、旬の食べ物をおいしく食べる方法がたくさんあって手放せない。
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