明日、瑞墻山に登る。
富士見平小屋に一泊し、翌日金峰山の五丈岩に行く。
一番の楽しみは、富士見平から見る富士山の雄姿である。
富士は多く静岡県の沼津や伊豆の方から眺められてきた。
誰の目にも焼きついている表富士である。
明日見る富士は甲斐の国から見る富士だ。
俳人飯田蛇笏は、山梨県八代郡に生まれた。早稲田大学へ進み
東京へ出たが、明治42年に帰郷後は
生涯を甲斐の山峡で送った。有名な俳句がある。
芋の露連山影を正うす 蛇笏
山峡で畑仕事をした蛇笏は、甲斐の山々の懐に抱かれていた。
そこから見る富士山は、どのように見えていたであろうか。表富士とは
一味違う風貌がある。
裏富士のすそ野ぐもりに別れ霜
秋の風富士の全貌宙にあり
富士の凪ぎ天鳶啼くをさまたげず