
昨日クワオルトで坊平に行ってきた。あまりの暑さに、このウォーキングにも異変が起きている。参加者がたった5名、立派なガイドさんが二人もついているので、なにか主催者に申しわけないような気がする。たいらぐらの体育館には、多くの親子づれが来ている。夏のクロスカントリー駅伝大会へ出場するs選手たちのトレーニングのためらしい。標高1000mの地点のため、平地より涼しいが、日が差すと気温はどんどん上がっていく。この日普段のコースにない仙人沢の吊り橋まで案内してくれることになった。
この沢には、多くの悲しい過去がある。夏休みでここに遊びに来た小学生が誤って橋から落ち死亡した事故は記憶に新しい。また中丸山の登山道で、この沢にまぎれこんで、遭難したことも多くある。斎藤茂吉もここに足を踏み入れて、一首詠んでいる。
この山にのぼれる人の幾たりは仙人澤のさ霧にまよふ 斎藤 茂吉
ガイドさんの話によると、馬の背から降りて中丸山に入るのだが、その上にある山を勘違いして中丸山と思い込み、沢に迷いことが多いとのことである。疲労が募ってくると、判断力の低下するので気をつけなければない、という話をされた。この沢には橋の上流に不動滝、下流に観音滝のふたつの滝があって行く手を阻まれ、南側に急峻な絶壁があるために、迷い込めば娑婆に戻れないと、麓の人々に恐れられた。道の途中に観音滝に行く道があったが、通行止めのロープが張ってあった。途中土砂の崩落で危険であるためらしい。

この橋を渡り切ると、すぐに中丸山の登山道が見えた。階段上に木を並べた急こう配の道である。中丸山は、ここから尾根にでるまで勾配がきついという。そのかわり視野が開けば、すばらしい展望に恵まれる。