常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

西吾妻山

2018年07月22日 | 登山

この一週間で、日本百名山を3座登頂する

ことになった。これが39座目ということ

になる。今回登った山は標高2035mの

西吾妻山である。

深田久弥が登った時代とは、大きく異なり

ロープウェイとリフト3台を乗り継ぐと、

白布の駐車場から、30分ほどで北望台

(標高1820m)に着く。

リフトなど全く無かった時代、深田久弥

は友人と二人白布高湯からスキーを履い

て樹林帯の急坂を登った。深田久弥は、

「人形石の峰の上に立つと、当の西吾妻

山は気の遠くなるほど遥か向こうにある。

そこまで行く山稜は、稜線というより広

大な高原で、ここへきてはじめて吾妻山

西部の雄大なスケールを見た」とその著

『日本百名山』に記している。

この日、この山行に参加したメンバーは

7名。内女性4名。深田久弥は、山頂まで

一人の登山者にも合わなかった書いてい

るが、土曜日とあって多くの家族連れや

仲間と登山を楽しむ人々が大勢いた。う

ち続く猛暑もここでは下界より8℃ほど

低い。高原を吹き抜ける風も涼しく、暑

気払いにはもってこいだ。

8時20分、ロープウェイに乗る。2時間

ほどで梵天岩。今日の見どころは、大凹

のお花畑である。ここへ来るまで、黄色

のオトギリソウ、白いモミジカラマツな

どを見ているがコバイケイソウ、チング

ルマも花期を終えたようだ。

大凹に入って気持ちのいい高原の風景であ

る。遠景にワタスゲの穂が揺れ、コバイケ

イソウの白い花が混じる。足元に咲くミヤ

マリンドウの紫やオトギリソウの黄色い花

が目に入ってくる。涼しい風が吹き抜け、

この場に似つかわしくないホシガラスのド

スの聞いた啼き声が聞こえてくる。束の間

ののんびりとした時間が過ぎていく。

先週登った金峰山の景色を思い出す。花崗

岩の大塊とシラビソの樹々が景色を形づく

ていたが、この山の標高2000mでのこの

やさしい景色はどうやってできているのだ

ろう。

カメラをワタスゲに近づけて見た。穂は

風に吹かれて飛んでいこうとしている。

湿原の広い草原いっぱいに、わたすげの

やさしい風情に癒される。

湿原付近の山道は板を敷いて、歩きやす

くしてくれている。ここを抜けると急な

石礫の道を登ると、ほどなく山頂に着く。

リフトを降りて2時間30分、一行は快調

なペースで登頂できた。

下山して天狗岩で昼食。

帰路、ホシガラスの一団に出会った。

この鳥は渡り鳥ではないが、夏高山で

見られることが多いので夏の季語になっ

ている。恋の季節でもあるのか、啼き

交わしながら飛ぶ姿は美しい。ただ、

鳴き声は威嚇するようなギャーという

声を連発すのみで風情はない。

 星烏つぶてとなりて霧に消ゆ 冬霞

2時30分、楽しい山歩きを終えてリフト

へ。ロープウェイ駅の近く、白布森の館

で入浴。380円。

 

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