常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

火のこと

2021年01月19日 | 日記
朝、外を見ると、昨日の晴天が一気に変わって雪が積もった。三寒四温とは節分を過ぎてからの現象だが、今年は大寒に入る前に、その季節を先取りしたような按排である。こんな日に、消防車がサイレンを鳴らして、現場へと急行している。いつも思うのだが、こんな日に家を焼け出されて住む処を無くしてしまうとどうしてこの寒い冬を過ごすのか気にかかる。そんな事態だけは招くまい、といつも自戒を心に刻み込む。

地震、雷、火事は怖いものを現す言葉だが、火事はもともと、「火のこと」と言われ、火の事を縮めて火事という和製漢語ができた。手紙の返しを、返り言といい、そこから返事になったと国語学者の金田一春先生が教えてくれている。古文をみると、右京太夫集の詞書きに「内裏に近き火の事ありて」などと使われている。気温が下がり、どの家庭でも、火を使って暖房を取り、大気の湿度は低く火災が起きやすいのが、この季節である。

消防車とともに、救急車のサイレンもかなり頻繁に部屋に飛びこんでくる。ここには、高齢者も住む集合住宅だから、建物構内へ入ってきてピタリとサイレンが止まると、倒れたのは誰、といつも気になる。昨日も、知人が救急車で病院に運ばれ脳梗塞で緊急手術という知らせが入った。あんなに元気だだった人が、とびっくりした。人間病気が襲うのは、高齢になれば誰にでもあることだいつ起こっても不思議はない。気温の低下は、隠れていた病気の呼び起こす引き金になる。やはり、日々健康に一層留意して、春の来るまで過ごさなければならない。
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冬晴れ

2021年01月18日 | 日記
雲がない冬の青空は気持ちいい。放射冷却で-5℃まで気温が下がっても、戸外に出て、身体を動かしたくなる。こんな空が長く続かないのも、冬空の特徴だ。それだけに、朝の光のなかに少しでも身を置きたい。そもそも何故、冬の青空はかくも澄みわたっているのか。ものの本によると、空気中の水蒸気の量が少ないことである。波長の長い青系の光りが、空気に当って拡散、乱反射するためであるという。塵も少ない高山では、青空はより深度を増す。因みに、気温がさらに下がって、-15~-20℃になると、空気中の水蒸気が氷って遊泳する。そこに光が当たってキラキラと光る。ダイアモンドダストと呼ばれる現象だ。先日の山形神室で見えたし、北海道では平地の湖などでよく観察される。

普段見なれている周りの山も、空気が澄んだ日は近くに見える。これも、空気中の水分が少なく、光を拡散させないためと言われている。冬の晴れ間も、すばらしい景色が見えることはすばらしい。山の表情や空の色に、季節の移ろいを感じながら、一日を豊かな気持ちで過ごすことができる。

冬晴れをすひたきかなや精一杯 川端茅舎
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野菜を食べる

2021年01月17日 | 日記
寒に入って食べたくなるのが野菜である。特に冬に美味しく感じるのは、カボチャ、カブなどだが、小松菜も忘れてはならない。江戸時代に小松川の辺りで栽培されたので、この名がついた。寒さに強く、霜にあたると甘さが増しておいしくなる。カルシュウムはほうれん草よりも多く含み、鉄分、ビタミンCなどの栄養価が高い野菜だ。今年は暖冬で、葉物野菜が安価に手にはいるのでうれしい。

今晩、妻が作った蒸し煮は、簡単にできて小松菜本来の味が出てとてもおいしい。2束の小松菜に釜揚げシラス1パック。よく水洗いして、食べやすい大きさに切って鍋にいれる。水は入れず、洗った時の水分だけで蒸し煮にする。塩を適量ふって、昆布だし醤油を入れて、さらにシラスを加える。小松菜に火が通ったら、混ぜ合わせて出来上がり。ほかに、カボチャの煮つけとカブの煮物。冬の夜は、温かい野菜料理がありがたい。ブロッコリーやカリフラワーなどもこの簡単蒸し煮にすると、味付けをせずにそのまま食べられる。
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成人の日

2021年01月16日 | 日記
戦後、1月15日は成人の日と決まっていた。消費や旅行をしやすいようにと考えたのか、日曜日と続くように移動し、土曜日からの3連休となるように、祝日が変更するようになってからしばらくになる。そのために、今年の成人の日は11日の月曜日であった。新型コロナの感染拡大は、連休による人の移動や集会にリスクがある。多くの自治体が、成人式を中止したり、延期したり、早めたりして、3連休と切り離す動きを見せた。横浜市では中止せずに式を行い、路上で日本酒の瓶の回し飲みが、テレビの映像に何度も写った。

そもそも人が大人になるというのはどういうことか。成人すれば法律で禁止されていた酒や煙草をたしなむことが解禁される。だが、酒を飲むことが大人になったことにはならない。通過儀礼(イニシエーション)ということがある。かっての社会では、大人になるために通過しなけれならい行為が存在していた。15歳の元服は男が大人になる年であるが、その年斎藤茂吉の父は、15歳の茂吉を湯殿山詣りに連れて行っている。

その行程は、家のある金瓶から本道寺まで14里、ここで一泊。二日目は暗いうちに起きて志津から湯殿山の神社に詣で、帰って志津で一泊、16里。この日は雨、風。谿の氷の上に這いつくばって、風を除け難を避けたがびしょ濡れになって宿の着く。三日目は、14里の道を金瓶へ引き返した。茂吉への褒美は帰路の茶屋で買ったぬた餅である。ずんだ餅といえば、知っている人もいるかも知れぬ。14里はおよそ54.6㌔、以下に長い距離を三日で歩き通したかが知れる。

米沢や会津に住む人たちは、飯豊本山を目指した。頂上の手前にお秘所と呼ばれる岩場の難所があるが、そこを通過して下ってきて初めて、一人前の大人として認められた。また集落のなかに若者宿というものがあった。ここへ15歳になった若者が親元を離れて集まり、先輩の話を聞いたり、夜間に肝試しと呼ばれる課題を行うしきたりもあった。大人になることは、身に迫る危険に備え、対処する心と体力を身につけることである。成人式に行って、酒を飲んだり、式場で暴れまわるようなこととはおよそ違った概念である。
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オフィスレンズ

2021年01月14日 | 日記
間もなく大寒を迎えようとしているので雨にある。降り積った山の雪が融けだし、雪崩の心配が出ている。屋根の雪の落雪にも要注意だ。せっかくの寒の雪景色が、シャープさなくして中途半端なものになった。やはりこの異変は地球の温暖化から来ている。バイデン政権の誕生で、地球の未来にひとすじの光りがさすだろうか、注目したい。日本の50年までにニュートラルという宣言が、政権の人気取りだけでないことを祈りたい。

今年初めての歯科の診療。カウンターに丑年を祝うオブジェが置かれていた。スマホのオフィスレンズで撮影して見た。カメラではあるが、写し取ってデータにできるすぐれものだ。メモもお知らせなど、注意喚起すべきものをワンノートに取り込んでおけば、いつでも確認が可能である。先日東根で買ったリンゴが美味であったので、値札に記してある生産者名も撮って保存した。市場に行かなくても、生産者と直接購入交渉も可能になる。

コロナ禍は世界中を巻き込んだパンデミックだ。かって地球上でこれほど大規模な感染症の広がりを見たことはない。これが終息を迎えたとき、人々の価値観は大きく変わっているだろう。今までになかった新しい文明が生まれてくるはずだ。毎日の出来事を記録して、日々の変化に敏感になることは大切なことだ。デジタル技術が、ビジネスだけでなく、人々の生活のなかに取り入れられていく。自助を言うことでバッシングの渦がまき起こっている。しかし、自分の身に何かが起こってた時、頼りにできるものはどこにあるだろうか。平穏な時に何かが生まれるのではなく、危機のなかで人間の英知が磨かれることを信じたい。

いいえ昨日はありません
今日を打つのは今日の時計
昨日の時計はありません
今日を打つのは今日の時計(三好達治)
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