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最近、本の読み方が変わってきた。ハウツー本などは、読んではいけないと教わってきた。しかし、年齢を重ねると、読む本のジャンルも変わってくる。本は主にブックオフから、安くなったものを選ぶ。興味の中心は、AI関連、脳関連、精神医学の樺沢本、筋トレ関連など、むしろハウツー本のようなものが主流になっている。そんななかで、成毛眞や落合陽一など、新時代の書き手にも注目している。FBで成毛眞をフォローしていたら、大西康之『流山がすごい』という新潮新書のレビュウがあった。仕事上の知り合いらしく、日経の記者であり、流山市民の大西から、流山を一度見てください、と言われていたという。
流山に行ったのは先月11月25日のことだった。生後半年のひ孫を見るためだ。おおたかの森駅前のホテルから冬晴れの富士山を見て感激した。アマゾンで『流山がすごい』を注文したら、発売の19日に届くという知らせが届いた。この本の第1章は「保育の楽園が生んだ奇跡」である。孫は産休で職場を休んでいるが、来春には子を保育園に置いて、職場に復帰する。もう保育園も決まり、復職の準備も進んでいる。この街の保育のシステムは、駅中に保育ステーションがあることだ。朝、電車に乗る時、このステーションに子を置いて出勤する。ステーションでは、子たちをバスに乗せ、それぞれの保育園に預ける。夕刻、バスは保育園から子を受け取り、ステーションに置いて電車で帰ってくる親の迎えを待つという仕組みだ。流山市民なら月2000円でこのサービスが受けられる。この保育の制度が人気を呼び、流山は人口増加率1位を6年間続けている。
山形から流山まで、足の弱った妻のために車で行った。上山で東北中央道に乗り、福島から東北道、郡山から磐越道、いわきから常磐道で流山インターまで、休みながら5時間弱。保育の街として注目を集めているが、もう一つ大きな注目点がある。今は公園でしか活用していない利根運河。千葉と茨城を分ける利根川を江戸川と結ぶ運河は、舟運を期待して明治に西洋の技術で開通した。鉄道が舟運にとって変わると、運河はすぐにご用おさめになった。インターを降りて、運河大橋まで9㌔、江戸川の河川敷に巨大な倉庫群が現れる。12棟、延床面積162万㎡、東京ドーム30個分という巨大さだ。倉庫は言うまでもなく、ネットショッピングのアマゾン、楽天が物流の拠点となっている。先日送らてきた一冊の本も、この拠点から送られてきたのかも知れない。
さらに、この倉庫群を上った台地に有機野菜の農場がある。ここで作った採れたての野菜は、コンビニにのぼりを立てて売られ始めた。子育てから、有機野菜、そして無店舗のネットショップまで。ここには、新しい日本の未来の姿がある。そんな環境で育つひ孫は、どんな子に、新しい時代の子に育っていくのだろうか。楽しみなことである。