降り続いた雪が上がって、青空が広がった朝、千歳山の雪景色が美しい。やっぱり、山形のランドマークは千歳山だと、改めて思う。ベランダから見えるのは西の山だが、こんな朝は非常階段の踊り場まで行って写真を撮る。見なれた山の景色が、雪化粧して目に飛び込んでくると、それだけで心が満たされる。
一袋猫もごまめの年用意 一茶
長谷川櫂の『日めくり四季のうた』の、12月26日に選ばれた句だ。ごまめはカタクチイワシの子を干して、飴をからめた佃煮である。田作りともいうが、ごまめが余りにも豊漁で、田に肥料としてまいたところ豊作になったので、こんな名になった。ごまめは正月のお節に欠かせないが、ごまめとこまめにかけてせっせと働くように願いを込めた食べ物になっている。
一茶の句は、このかけ言葉を猫に広げて、今年も小まめにネズミを捕るように、一袋好物のごまめを与えたものだ。一茶流のユーモアが面白い。大雪は来年の豊作を約するものとして、歓迎されてきた。ただ、昨今の世界中で降る異常な雪は、逆に人間には大きな害をもたらしている。