予報通り、寒い師走の入りとなった。寒くなると覚悟をきめたこともあって、冷たい空気のなかを歩いても気持ちがいい。冬の花、ヤツデの地味な花が玄関わきに咲いていた。人間が手のひらを広げたような形の葉の上の白い花。この時期、扇のような花がひろがり、人の心を和らげる。ふと見上げると、瀧山が冠雪して白く光った。
生き残る蠅が集へり花八つ手 松田茂代
今年、手元に置いて、折にふれてページを開いた本。『毎日の暮らしが輝く52の習慣』の、最終52場目の習慣は「寛大な心を持つ」である。今年ほど、周りの人たちの心に、寛大さを感じたことはない。寛大でやさしい心に取り囲まれて一年を過ごしてきてように思える。そうした心に習って、自分でも寛大さを身につけたような気がする。人の心の寛大さを受け入れる。この年になって初めて身に沁みたことであった。そこから初めて温かい人間関係が生まれる。