17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。
昨日はヒュッセンからアウグスブルク。
途中、あまり知られていない世界遺産の、
ヴィースの巡礼教会に立ち寄りました。
こ一面の草原で草をはむ牛や馬に囲まれて、
外観は牧歌的で、田舎の教会といった風情。
ところが内部は一転して
ヴェルサイユ宮殿を思わせるような
華麗で美しいロココ調の装飾。
こちらの祭壇にまつられているイエス像は
涙を流した奇跡のキリストと呼ばれ、
各地から巡礼が押し寄せたのだとか。
観光客もそれほど多くなく
静かで穏やかなひとときを
過ごさせて頂きました。
続いて訪れたアウグスブルクも
ロマンチック街道の街の一つ。
第二次大戦で破壊された市庁舎は
相当の資金と熱意で復興された、
荘厳で華麗な天井で有名な観光名所。
これまた宮殿かと思うような
華美なまでに豪華な金の装飾は
この街のかつての繁栄と力を
しのばせるのに十分なものでした。
今日は今回の旅の終着地となる、
ローテンブルクに向かいます。
あいにくのお天気だけど
安全に旅が続けられますように。
昨日、いよいよヒュッセンに到着。
中世の騎士道に憧れた孤独な王、
ルードヴィヒ2世の夢の跡である、
ノイシュバンシュタイン城と
ホーエンシュヴァンガウ城を訪れました。
これはノイシュバンシュタインから見た
ホーエンシュヴァンガウ城の眺め。
当日移動中の車の中でオンライン予約して、
その日の午後に無事に見学出来ました。
ここはルードヴィヒの父王が建築し、
少年時代を送ったというお城。
急峻な岩山と美しい湖に抱かれて
豪華な王侯貴族の暮らしが偲ばれました。
ノイシュバンシュタインは予約が売り切れ。
せめて外からだけでも、と思っていたら
ホテルのフロントスタッフに教えられ
早朝にチケットセンターに1時間並んで
当日券を無事に入手しました。
山の上のせいかとにかく寒くて
ダウンを着てた人もいたほど。
ルードヴィヒの妄想と幻想が生み出した、
時代錯誤の中世の夢の結晶は
彼の孤独と失敗を埋めるように
過剰で華美で狂気を秘めた美しさ。
タンホイザーやローエングリンの世界を
そのまま具現化したような空間で、
「神々の黄昏」をもう一度見たくなりました。
2つのお城を結ぶ森の道には
旅情あふれる馬車が往来していて
これまた中世に戻ったよう。
夕方、ホテルに帰って
テラスで食事をしていたら
仕事帰りのお馬さんたちが
目の前をパカパカ帰って行きました。
それにしても今回どこへ行っても
中国人の団体客は見かけるけど
日本人はほとんど見かけない。
国力と通貨の力の差なのかなあと
少し寂しい気分にもなりました。
次に立ち寄ったケルンの大聖堂は
荘厳で壮麗ななゴシック様式に
ただただ圧倒されました。
朝のミサの厳かな雰囲気と
聖堂内に響くオルガンの音色が
時差ボケの体に沁みわたる。
ライン川沿いの小高い山の上の
古城ホテルでも一泊しました。
ほんのちょっぴりだけど
中世の貴族気分を味わえたかな。
そして大好きな東山魁夷の絵画、
「緑のハイデルベルク」の舞台、
ハイデルベルクにも訪れました。
ここは長年憧れていた街。
東山魁夷の美しい絵画そのものの風景が
今も変わらず広がっていて、
胸がいっぱいになりました。
そして今日やって来たのは
丸い城壁に囲まれた
中世そのものの街、ネルトリンゲン。
街の中央には聖ゲオルク教会があり
高さ90mもある塔の、350段の階段を
ゼーハー言いながら這い上がると
円形の街が一望出来ました。
何でも進撃の巨人のモデルとなった
街だという噂があるのだとか。
マンション25階相当もある頂上には
チケット売りのおじさん以外に
もう一人(?)正規の市職員さんが。
糞害をもたらす鳥を追い払い、
時々観光客をもてなす任務を担う、
ベルデンシュタインという
堂々たる名前のこの三毛ちゃん。
誰もが会えるわけではないそうですが
私は運良くお出迎えして頂けました。
汗だくで死にそうになりながら
他の観光客と励まし合って
登った甲斐がありました。
ネルトリンゲンの旅の良い出会いでした。
バンコク経由で、深夜発という
ハードなフライトで眠れぬ一夜を過ごし、
昨日の早朝にフランクフルトに到着。
SIMカードのお店が見つからなかったり
レンタカーのGPSが壊れてて
2時間も空港周辺を彷徨った挙げ句
空港に戻って車の交換を交渉したり
道を間違えてアウトバーンに入ってしまって
10km以上も先から戻るハメになったり
やっとホテル近くまでたどり着いたら
ナビが示す道が通行止めだったり…。
トラブルはてんこ盛りだったけど
おとぎ話のようなかわいい街、
ライン川沿いのリューデスハイムに
どうにかたどり着きました。
事前に調べた週間天気予報では
雨で22℃前後のはずだったのに
晴れて29℃という暑さ。
結構蒸し暑くて
日本とほとんど変わらない感じ。
街には色とりどりの花々が咲き乱れ、
教会の鐘に混じって音楽も聞こえて
コロナなどなかったかのようなにぎやかさ。
私たちもドイツワインの試飲をしたり
名物のシュニッツェルやビールを堪能しました。
それにしてもドイツ料理はどれも
ボリュームが半端なくて、大変。
フライポテトなどはこれでもかとばかりに
日本のマクドの5倍くらいの量が
多くのメニューに添えられていて。
ライン川クルーズの古城巡りは
本当に景色がきれいで、風も心地よく快適。
リューデスハイムからバッハラッハで降り
可愛らしい街を散策し、ランチもして、
またクルーズして戻って来ました。
ドイツに来たら、外せないというのも納得。
さあ、旅はまだまだ始まったばかり。
初めてのドイツの旅が安全で
楽しいものになりますように。
花菖蒲がきれいだというので
土岐市にある織部の里公園へ。
梅雨空の一日だったけど
こんなお天気が菖蒲には良く似あう。
奥の古民家風の建物では野点をしていて、
菖蒲の花のような美しい生菓子と
お抹茶をいただきました。
使われている茶器はどれも作家もので
1つ1つ全部違うのも楽しい。
このあたりには17世紀の登り窯の跡や、
そこから掘り出された古い陶器の展示もあって
まさに織部の里の名にふさわしい。
ろくろでシンメトリーに作られた器を
わざと歪ませ、そこに美を見出した、
当時の人々の感性は本当に面白いなあ。
まだまだこの地方には
私の知らない歴史や文化があふれているから
これから少しずつ学んでいけたらと思います。