「ミモロちゃん、お雛様が、そんなに好きなの?だったら、たくさんある所に連れて行ってあげるね」と、お友達に誘われて、出掛けたミモロ。
「わーお雛様がいっぱいいるー」大勢のお雛様に囲まれて、ミモロは、嬉しくて嬉しくて大興奮!
ミモロが、訪れたのは、京都府庁から、徒歩5分ほどにある明治36年(1903)創業の「安藤人形店」です。
創業から、豪華な衣装を纏った、美しい顔立ちの京雛の伝統を守り、さらに現代的なセンスをも漂わす雛人形を作り続けています。
現在、お人形を製作なさっているのは、雛人形着付師として黄綬褒章を受章なさった二代目の安藤桂甫さんと、伝統工芸士であり、京の名工として表彰され、タイの国王や中国の温家宝首相にも雛人形を献上なさった三代目の安藤忠彦さんの親子。
町屋の工房の一番奥のお部屋には、作業をなさる桂甫さんのお姿も。
そっと拝見するミモロです。
手前のお部屋では、職人さんたちが、ひとつひとつ丁寧に雛人形の衣装を製作しています。
ミモロは、作業する、すぐ近くで熱心に見学。
工房の棚には、人形の衣装になる錦の布が、種類豊富に置かれています。ここの織物は、有名な龍村織物のもの。
「あ、お雛様のお顔…」京風のすっきりとしたお顔は、名人猪山作、または健山作の頭です。
衣装を着つける前のお雛様です。
衣装は、巧みに色彩を組み合わせ、品格と優美さを表現した伝統の色合わせ。
ここに、お顔と手を付け、美しい形に整えてゆきます。
そもそも京雛づくりは、6部門に分業されているそう。頭師(人形のお顔部分を作る人)、織物師(人形の衣装の布を作る人)、小道具師(扇などの小物を作る人)、手足師(文字通り、手足を作る人)、髪付師(人形の髪を作り整える人)そして、それらを総合し、人形を形作るのが、人形師とよばれる着付師です。
着付師により、はじめて人形に、命が施されるのです。
衣装の組み合わせ、袖や裾の流れ具合、手の上げ方、お顔の微妙な向き、そして全体の美しいバランス。
そのすべてが、着付師の腕に掛ります。
「どうぞ、2階にいろいろなお雛様が並んでいますから、ゆっくり見てください」と、安藤忠彦さん。
穏やかで上品な物腰とやさしい笑顔の安藤さんに、ミモロは、すっかりファンに。
「すてきな人だねぇー。お人形には、作る人の心が映し出されるんだよ。ここのお人形は、皆とても穏やかでやさしい…」と、お人形の気持ちがよくわかるミモロです。
2階では、通常、6月から2月まで、お雛様を100セット以上展示。お雛祭りの3月3日には、一旦、片付けられ、五月人形が並びます。
「わーたくさんお雛様が並んでるねぇー」
広いお座敷の壁一面に、雛段が連なって、お雛様好きのミモロは、もう夢中。
一番奥には、りっぱな7段飾りが鎮座しています。
「りっぱなお雛様!」さすが7段飾り、豪華さもいっそう。
「なんてきれいなお雛様なんだろうー」
しばし見惚れるミモロ。「こんなお雛様欲しいなぁー」と、目をそばの表示に移します。
「う、さすが日本一のと言われるお雛様…」価格は、700万円。ミモロは憧れるだけに…。
京都のお雛様にも時代によって人気のものがあり、現代において「安藤人形店」のお雛様は、京都の名家や老舗のお嬢さんたちの憧れの品だそう…。
せめて…と…りっぱなお雛様の前に座り「灯りをつけましょ、ぼんぼりにー。お花をあげましょ、桃の花ー」と、ひとり、豪華なお雛祭り気分に浸るミモロです。
*「安藤人形店」京都市上京区油小路通丸太町上ル 電話075-23-7466 営業時間:9:00~18:00 お雛様と五月人形の期間は無休 (5月から12月は、日曜、祝日、第二土曜休み)「安藤人形店」では、自分だけのお雛様をオーダーで作ってもらえます。価格の幅もいろいろと。詳しくは、ホームページをご覧ください。
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赤い衣装の「還暦雛」。還暦のお祝いにプレゼントしたいお雛様。
「なんか親近感がわくお雛様…お友達みたい…」とミモロは、大胆にも真ん中へ。
60歳になって、お雛様をいただくのって、嬉しいのでは?1年中飾っておきたいお雛様ですね。
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