伝統のものづくりで知られる京都。でも、実は、京都は、新しい技術を使ったものづくりも盛んです。
ある日、ミモロは、最近お友達になった「泉工業昆布式会社」の福永さんからメールをいただきました。
「ミモロちゃん、キラキラ光るもの好きですか?よかったら、うちの工場見学に見学に来てください。キラキラするものがたくさんありますよ」と。
「キラキラ光るもの?なんだろ?」とミモロは興味津々で、さっそく工場見学に行くことに。
「いらっしゃい!」と笑顔で迎えてくれた福永順さんは、この会社の若き専務さん。
京都府の南部、奈良県にほどちかい城陽市にある「泉工業株式会社」は、後染ラメ糸のメーカー。
大阪のおばちゃんたちや若い女の子たちが大好きな、ラメ入りの洋服やバッグなどあらゆるものに使われるキラキラ光るラメの糸を作る会社です。
実は、城陽市は、国内のラメ糸生産のナンバーワンの産地。
ラメ入りの洋服などをもっていたら、きっと城陽市で作られた糸かも…。
ここ「泉工業株式会社」は、製造のほぼすべての工程を自社工場で行うただ一つの会社です。
では、さっそく工場見学へ。
ラメ糸の大まかな製造工程は、透明なフィルムに、金色や銀色を着色し、それを細く裁断。さらにレーヨンなどの糸と撚り合わせて、完成へ。
「これは、フィルムに銀色を着色したロールです」
「わー大きい…うーまぶしい…」とミモロは、光り輝く大きなロールを前に、目をしばたたかせます。
大きなロールは、10センチほどに輪切りに。
それを細く裁断する機械にかけて、糸状にして、巻き取ります。
「キャーピカピカ」とミモロが遊んでいるのは、裁断で出た残りの部分。
あれ、そこはゴミ箱。一緒に回収されちゃうわよー。
「泉工業株式会社」の糸は、アルミではなく、輝きにこだわり銀を使用しています。
少量の使用のための糸巻もたくさんあります。
「次は、ラメ糸をほかの糸と撚る工程ですよ」と、工場内の別の部屋へトコトコと。
「キャーここにも大きな機械が並んでるー」
織物、裁縫、刺繍などの目的に合わせ、レーヨンなどの化学繊維の糸とラメ糸を縒り合せた糸を作ります。
「細すぎて、よく見えない…」とミモロ。
できた糸は、職人さんが厳しい目で、品質をチェックします。
ミモロも同じような姿勢で、並んで、糸を見つめますが…「全く見えない…目がまわるー」。わずかな欠点も見つける職人さんの熟練した目。さすがです。
最後に、完成したラメ糸は、蒸気を通し、撚りをしっかりと定着させます。
「なんか年季のはいった機械だねぇー」。
糸によっては、ほんの一瞬ということもある、蒸気をくぐらすひと手間で、糸の質が変わるそう。
一見、蒸気に当てていない完成品を比べてもわからないことですが、わざわざ手間を掛けることで、糸は安定し、服など製品になった後に、決して撚りが甘くならないそう。これが日本のものづくりの姿勢。
機械を動かす音が響き、機械油のにおいが漂う工場。そこで若い職人さんたちが、良質の商品づくりにひたすら励んでいます。「決して手を抜かない仕事をする彼らは、本当に信頼できる職人さんなんですよ」と、福永さんは、誇らしげに語ります。
人に目立つような派手な仕事ではない”ものづくり”。
しかし、そこには、いい品を作るという誇りとプライドが…。
近年、中国製品に押され気味の日本のものづくり。でも長い歴史に育まれた日本の職人の心意気は、若い世代へと受け継がれて、日本を支える力になっています。
「もっとみんなピカピカのお洋服着るといいのにねー。光るものって、ラッキーアイテムだって、風水の本に書いてあったよ。でも京都って、ホントいろんなものを作ってるんだねぇ」と、改めて感心するミモロです。
*「泉工業株式会社」の詳しい業務内容などは、ホームページをご覧ください。
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