早春の雨の降る日。ミモロは、お友達と一緒に京都御苑の「仙洞御所」へと出かけました。
ここのお庭の見事さは、昨日、お伝えしましたが、今日は、ミモロが見つけた日本の美意識のお話。
「仙洞御所」のお庭にある建物は、2つ。そのひとつが、「醒花亭」という茶室です。
庭の南にある茶室は、池を一望できる絶好のポジションにあります。
建物に目をやると、正面の玄関には、廂が。そして下の部分が木になっている腰高障子が入っています。
四畳半の書院、手前には、五畳の入側(縁側)があり、その境に建具がないのが特徴だそう。
なだらかな傾斜の屋根を滴り落ちる雨。そして竹の雨どいを伝い地面へと至ります。
雨に濡れた屋根の美しさも、なかなか…。
シンプルで、一切の華美な装飾を廃し、日本建築の美が漂う建物です。
この中から、池を見たらどんな景色なのだろうと、想像してしまいます。
「ここでお茶をいただきたいなぁー」と大胆な発言のミモロ。でもその気持ち、わかります。
この茶室の前からつづく「洲浜(すはま)」は、池に面して、なだからな曲線を描く浜で、美しい海岸線を表現しています。これにより、池は、広々とした海に見立てられます。
この「洲浜」には丸い石が敷き詰められて、これだけ形と大きさを揃えた見事さに感心。
「ねぇ、洲浜って和菓子にもあるよねぇー」と、なんでも食べ物に結び付けるミモロです。
和菓子は、それを見立てたものとか…。
さて、もうひとつの建物が、参観入口のそばにある「又新亭(ゆうしんてい)」という茶室。
秋は、紅葉に目を奪われて気づかなかったのが、竹の柵。
太さが統一された竹は、すべての枝を掃うのではなく、一部を残し、外部の侵入を妨げる工夫が。言い換えれば有刺鉄線のようなもの。でも、そこに風情が漂わすところが、日本の美意識。
さらに茶室へ入る木戸も、風情あふれるもの。
幾何学模様のような竹組み。
竹を結ぶ部分も洗練されています。
細い竹を結んだ柵も、ステキです。
「なんか不思議な雨どい?」
すべて天然素材だけで作られた建物。
近年、葺き替えられた屋根も、実に手のかかったもの。
「日本の職人さんの技術ってスゴイよねー」
ここを訪れるたびに、広大な庭を手入れする庭師さん、茶室を修理、維持する大工さんや左官屋さんなど、さまざまな技術を持った職人の仕事の素晴らしさに目を見張ります。
御所の門や塀に見られる菊の御紋章。
さりげない装飾に職人の技が光ります。
「仙洞御所」を訪れるたびに、何か新しい発見をするミモロです。
「ここに来ると、なんか気持ちがのびのびする…もしかしてパワースポットかな?」
と深呼吸。
「さぁ、少し早く歩いてください…」と、参観に付き添う係りの方に促されどおしのミモロでした。
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