京都と言えば、友禅。艶やかな雰囲気漂う着物は、女性たちの憧れの的です。
「1度、どんな風に作られているのか、見てみたいなぁー」と思うミモロでした。
そんなある日、ミモロは、幸いにもお友達に紹介され、二条新町にある「染工房 高橋徳」を訪れることに。
新町通りに面した堂々としたりっぱな構えのお店です。
「染工房 高橋徳」は、創業明治32年に、初代高橋徳治郎が創業し、主に室町の老舗呉服店「千總」に品を納め、そのおつきあいは、すでに100年を超えるそう。
「あのーミモロと申します。工房見学させていただけますか?」「あ、ミモロちゃんですね。伺ってますよ、どうぞ、どうぞ…」と温かく迎えてくださったのは、高橋周也さん。
さっそく工房見学をスタート。
友禅づくりは、それぞれの技術を持つ職人の分業制ですが、ここでは、着物の図柄のデザインから染までをトータルにひとつの工房で仕上げています。
はじめは着物の図柄づくり。デザインルームのような雰囲気の部屋の中ほど、大量の図案帳や資料、画集などが収蔵された書棚がずらり。まるで図書館のよう。
図案を作る職人さんが、昔の図案や絵画なども参考にして、図案を紙に描きます。
まずは、着物全体のイメージを構築するため、紙に小さな着物を書いて、そこに小さめの図案を描きます。「どんな感じのお着物ができるか、わかるんだねぇー」。そう設計図のようなものですね。
次に、その下絵を元に、実際に白地の反物を裁断し仮仕立てしたもの(仮絵羽)へ、下絵を描いてゆきます。
下絵を描くのは薄いブルーの青花というもの。
「小さな図案を、実際の大きさに拡大し、着物へ描くの?スゴーイ」
全く下絵通りというのではなく、着物にしたときに最高のものになるように、職人さんは、さまざまな工夫をしているそう。それも熟練の技が光る部分です。
興味津々で下絵を描く手元を見つめるミモロに「熱心に見学しますねぇー」と、
「ハイ、とても興味あるんでー」とミモロ。
下絵を描き終わった仮絵羽はほどかれて、竹をつかってピンっと張られ、そこで下絵の線に沿って糸目糊を置いてゆきます。
細い円錐状の先から出る糊を置く技術も、とてもむずかしく、その職人さんの力量が問われるところ。「下絵を活かすも殺すも、この線に掛ってきますからね」と高橋さん。
さらに糊を置いた内側に伏糊をして、後に色を加える部分が染まらないようにします。
次に、着物全体の色を染めます。京友禅は、地染めをしてから、絵に色を挿すのが特徴。
一方、加賀友禅は、模様の彩色を先にしてから全体の地染めを行います。
「えー知らなかったー」とミモロ…。
「わーキレイなピンクのお着物…」淡いピンクのお着物は、まだ絵柄に色がありません。
全体が染まった生地に、白を最初に描きます。(友禅の白は生地の地色の白ではなく、染められた白)
その後、薄い色から次々に色を挿す作業が行われます。
イメージする色の見本に合わせて、染料を絶妙に調合します。
見た目の色と染上った時の色の具合を、微妙に調整してゆくのも、まさに職人技。
「ワーいろんな色があるー」用意されたいろいろな種類の染料。
鮮やかな色を挿す職人さんの手元を、目を凝らして見つめるミモロ。
「ちょっとやってみる?」ミモロは、なんと特別に筆に手を添えさせてもらいました。
ミモロは、真剣なまなざしで、慎重に色を挿してゆきます。
「フー緊張しちゃった…でも面白かったー」と、貴重な体験をして満足そうな表情のミモロです
それからもミモロは、工房の中をアチコチ見てまわったり、職人さんの横で見学したり…。
工房の中には、ミモロが初めて目にするものばかり。その興味は尽きません。
「職人さんの作業を見てたら、ミモロも友禅を描きたくなっちゃったー」。
「それなら、お教室もやってますよ」と高橋さん。
それどんなお教室なのでしょう?
ちょっと一言…
江戸時代に扇絵師、宮崎友禅により始められたと伝えられます。ところで加賀友禅と京友禅の違いは?先ほども書きましたが、絵に彩色を初めにするのが加賀友禅。着物全体の地染めをしてから、絵に彩色するのが京友禅です。さらに図柄が、写実的な描写をする加賀友禅に対して、京友禅は、よりデザイン性が高い図柄。また裕福な商家の女性たちに好まれた京友禅は、金箔や刺繍が施され、より豪奢な華やかに。加賀友禅は、基本的に金や刺繍などがなされないのは、武家文化の影響と言われます。
*「染工房 高橋徳」の詳しい情報は、ホームページをご覧ください。
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