ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

「西陣 美の辻」で訪れた「箔屋野口」。明治に建てられた堂々たる町屋建築。さすが京都とミモロ感激!

2012-03-05 | ものづくり

西陣の千両ヶ辻で、3月1日~5日に、8軒の町家が参加して行われた「西陣 美の辻」。お雛様の展示と伝統と新たなものづくりの展示をめぐりながら、地元の方との触れ合いが楽しめるイベントです。

参加した町家は、大宮通と元誓願寺通の角周辺に点在。ミモロは、次々に展示を見学します。
東西に今出川通の南側を平行に走る元誓願寺通は、かつて西陣の中心的な通り。現在は、今出川通の方が、バスが通り、道幅も広く、メインの通りのような姿ですが、今出川通は後でできた通りです。

西陣の町の風情を今も色濃く残す元誓願寺通に、一際、堂々とした構えの町屋があります。


「すごく立派で、ここも見学していいの?」とミモロは、ちょっとビビり気味。

道に面したベンガラ格子には、「GOLD LEAF ART」という洒落た看板が掛っています。

ここは、明治10年に、金糸、平金製造所として創業した「箔屋野口」。現在、4代目の野口康さんの工房、ギャラリー、そしてお住まいです。現在、京都市の博物館登録が。

「なんか敷居が高そう…」とミモロは、遠慮がちに暖簾をくぐります。


「あのーごめんくださいー。中を拝見してもいいですか?」とお玄関先に声を。


「あ、どうぞどうぞ、よくいらっしゃいました。中に上って、お雛様などご覧ください」と、迎えてくださったのは、野口さんご夫妻。
優しい笑顔に、ミモロの顔にも笑みが…。

さて「箔屋野口」のお仕事に関しては、明日詳しくお話しすることに…。
今日は、まずは、その立派な町家をご紹介。

現在の建物は、明治22年に建てられた典型的な町屋建築。京都の町屋の特徴は、通りに面したベンガラ格子(内側から外の様子が、よくわかるブラインド的役割の格子)、中庭(建物へ光と風をもたらす小さなお庭)

そして3室ほどの座敷が連なり、奥へと続きます。
「わー奥が深いー。広いお座敷だねぇー」とミモロは、キョロキョロ。現在ギャラリーになっていて、そこにはさまざまの作品が…。

一番奥のお座敷には、家に伝わるお雛様が、床の間に。

「このおうちにずっと住んでるの?」と何やら話しかけるミモロ。かつてはここに7段飾りを飾ったことも。

明治、大正、昭和と京都の産業を担った西陣。その当時のお雛祭りは、今、想像できないほど、華やかなものだったのでは?大店のお嬢さんたちが、見事な着物姿で集ったことでしょう。そんな様子が、イメージされるお座敷です

「お庭もりっぱだねぇー」と、夕暮れ迫る光の中、しっとりとした趣のお庭が、ミモロの前に広がります。


お庭の中でも、一際目を引くのが、大きな石灯籠と石を繰りぬいたお手水です。


京都の町屋のお庭は、外からは見えない静寂に満ちたプライベートガーデン。家の者と、奥座敷まで招かれたゲストだけが鑑賞できる特別感あふれるお庭です。

さらに奥には、土倉などが続きます。

歴史ある建物の素晴らしさに感激しきりのミモロ。「でも、こんなりっぱなお家を維持するのって大変そう…広いからお掃除も大変だよねぇー」と生活感あふれる発言。

50年前は、暖房は火鉢、冷房は団扇だったそう。現在は、石油ストーブと扇風機に。

歴史的な建物を住まわれている方に、かつて何人かお目にかかりましたが、実際、なかなかご苦労も。
昔なら、当たり前と思えたことも、現代においては暮らしにくいことに…。また歳月と共に、修理を必要とする部分も増加し、その修復が技術面でも、費用面でも大変とか。そんなお話を伺うと、拝見する建物への思いもいっそう。

さて、かつてお店だったという道に面したお部屋は、現在、ギャラリーやライブラリーに。
落ち着いた照明とゆったりと流れる音楽に、しばし寛ぐミモロです。

「あ、写真家の水野克比古先生の写真集があるー」ここ野口家を撮影した写真集で、改めてこの町屋の美しさに触れるミモロです。


ちなみに、野口さんと水野先生は、幼馴染。この西陣の通りで遊んだ仲だそうです。

「こちらで、平金の作品をお見せしましょう」と野口さん。ミモロは、お座敷へと移ります。


*「箔屋野口」京都市上京区元誓願寺通大宮西入ル元妙蓮寺町546 電話075-415-1150 事前予約で建物を、無料で見学できます。10:00~16:30 不定休 




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