地下鉄東西線「東山駅」の平安神宮方向出口のすぐそばに、ちょっとレトロな雰囲気のお店があります。
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「カドヤ作業服店」という大きな看板。「作業服って、なんだろ?ユニフォーム屋さんじゃないみたいだし…」と。
お店の中には、デニムのつなぎが、ハンガーに掛っています。「作業服って、ツナギのこと?」
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現在の店主、廉屋皓三(カドヤコウゾウ)さんは、三代目。
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ご近所で、すでに顔なじみのミモロ。
「あれー今日は、ミモロちゃんもデニムのツナギ着てるんですねー」と。
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そう、ミモロもハリキッテ、ツナギルックで出かけました。「そう、これ、西沢のおばちゃんに作ってもらったのー」と、ちょっと自慢そうに鼻のふくらませて答えます。ご近所の方が、わざわざミモロのために縫ってくださったツナギです。
ツナギといえば、一世を風靡した「ダウンタウン・ブギウギバンド」などを思い出します。(ウー年齢がわかる?)
どちらかというとやんちゃな若者のファッションというイメージですが、そもそも、ツナギは、機能美の集大成。
作業をする際に、上下分かれていると、粉じんなどが、侵入したり、また、上着がルーズだと、機械に巻き込まれたりする危険を避けるために生み出されたスタイルです。ほどよいルーズ感で、動きやすいのも特徴。
そのスタイルは、今や、F1ドライバーをはじめ、ワイルドな男たちを象徴するまでに…。(ただしカッコよく着こなすのが条件ですが・・・)
一口にツナギと言っても、ここにあるのは、どこか雰囲気が違います。「なんか上品でカッコイイんだよねー」とミモロ。それはデニム素材をはじめ使われる素材の質感や、色合いにあるのかも。本当に種類も豊富。「アメリカンって感じがするー確か、ジェームス・ディーンやプレス・リーも着てたよねー」。
このお店を開いたのは、廉屋さんの大正3年生まれのおばあ様。昔の写真も残っています。
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「このツナギを着てるのが、バアさんです」と。「えー帽子をかぶって腕組みしてる人?キャーカッコイイ!!!」
大正時代の写真とは思えない、しゃれた感じ。
アメリカのファッションスタイルに憧れていたおばあ様(当時は、20歳)は、ご自分でデザインやパターンを起こし、自ら縫製までなさったそう。大正時代に、もうこんなスタイルをしていたなんて、カッコよすぎ!
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「オリジナルのイカリの刻印入りのボタンやネームも、カッコイイ!すごくスタイリッシュ!」
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「昔は、オーダーで作ったんですよ」
実は、「カドヤ作業服店」は、知る人ぞ知る有名店。世界的デザイナーの山本寛斎さんやコシノミチコさんをはじめ、海外ファッションブランドのデザイナーなども、多数訪れているそう。
さすが目ざとい外国人観光客…どこで情報を得るのでしょうか?
ツナギだけでなく、ニッカボッカも外国人に大人気だとか。
そんな海外からのゲストのために、お店には、英語の表示も。
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地下足袋、藍染めの前掛、作務衣なども人気の品。
作業服だけに、その丈夫さは、折り紙つき。
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服以外にも、注目されているのが、五本指のソックス。「シルク製の薄手のものあって、履きやすいと評判なんですよ」と奥様。
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また、安全靴といわれる靴の前の部分が硬くなっていて、重いものを足に落としても保護される機能付きの靴も。
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さらに、すべりにくい靴底になっているスニーカーも。
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「あれ、サンダルもあるの?」
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作業服というのは、機能性を追求し、さらに安全性をも考慮した、究極の衣類。そこに、デザイン性をも取り入れたツナギは、モーターサイクル関係をはじめ、さまざまな分野で使われています。
いつもダンディな廉屋さん。それはきっとおばあ様の遺伝子かも…。
「これ、お袋といっしょの写真です」
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お店に置かれたご自慢のホンダのバイク。70年代から手を加えた作り上げたお宝です。
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実は、ミモロのツナギのボタンも、偶然、イカリのマーク入り。ちょっと嬉しい感じ…。「これからもツナギでカッコよく決めるんだー」と背中に気合が漂います。
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「京都ってこういうものづくりも、進んでたんだー」と、古いものだけなく、時代を先取るファッション分野でも、京都ってスゴイと思うミモロでした。
日常でも気軽に使える品々も豊富に揃っているので、ぜひ一度、お店へ行ってみてはいかがでしょう?
*「カドヤ作業服店」京都市東山区三条通白川橋西入ル大井手町100 電話075-771-4910 10:00~18:00頃 日曜休み 地下鉄東西線東山駅徒歩1分。
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