「気が付くと、もう秋になってたんだー」と、連日30度を越す暑さながら、風爽やかな秋晴れの京都。
ミモロは、京都の町の秋をもとめに、トコトコお散歩に出掛けました。


「そうだー。萩まつりやってるかも…」と、ふと思い出したのが、昨年も行った「梨木神社」です。



「あ、やっぱり咲いてる…」
境内に茂る萩の枝先には、小さな白や紅色の花が…。
「あれ?、もう盛りを過ぎちゃったのかな?それとも今から…?」

9月21日から23日まで行われる「萩まつり」。市民がよんだ俳句の短冊が萩の花に彩りを添えて、まつりの雰囲気を盛り上げています。

残念ながらミモロが訪れた時は、すでにその日の奉納行事は、終了。境内には、萩まつりに因んだ記念品などのテントだけが残っていました。





「絵馬」や「萩模様の絵皿」そしてシバ漬けなども…。
この時期限定の品もあり、毎年、多くの人が、記念に求めて行くそうです。
さて、秋を代表する花「萩」

この文字は、日本で生まれた漢字です。草かんむりに秋…。まさに秋を象徴する草花であることが、この文字からも読み取れます。(ちなみに春を象徴する花として、中国では、椿という文字が生まれたとか…)。
万葉集でも最も多く詠まれている植物で、古代から日本人と深い繋がりがあったよう。おそらく万葉集の時代、野山を歩くと、至る所に萩が自生し、秋ともなると、可憐な花で、彩ったことでしょう。それを、万葉人たちは、楽しみにしていたのかもしれません。
萩といえば、「秋の七草」。
「はぎが尾花 葛花なでしこの花 女郎花(おみなえし)また藤袴 朝貌(あさがお)の花」これは、万葉集で山上憶良が詠んだ「秋の七種」の花の歌。*あさがおは、桔梗をさすとも言われます。
「せり、ナズナ、ゴギョウ…」という春の七草の歌は、南北朝時代に四辻左大臣善成公編纂の「河海抄」という「源氏物語」の注釈書に登場したのが最初と言われ、その春の七草の歌のベースになったのが、この山上憶良の秋の七草の歌と伝えられます。
山上憶良が、秋の七草の筆頭に萩を登場させたことからも、いかに萩が身近で、また心に沿う花であったかを伺わせます。
「でも、春の七草は食べられるけど…秋の七草は食べられない…がっかり…」とミモロ。
そう、秋は、あくまでも鑑賞用の花々です。春の七草は、無病息災を願い、春のはじめにビタミンを摂取するために普及した風習とも言われているので、目的が違います。
「でも、おはぎは、秋だよねー」と、萩を花を眺めながら、頭の中には、おはぎが浮かんでいるミモロでした。
さて、参拝へ進みましょう。
「まず、お清めしなくちゃ!」とミモロが駆け寄ったのは、

「ここのお水美味しんだって…」と言いながら、ゴクリ…。茶の湯などに用いられる名水で、多くの人が汲みにやってきます。
その手水舎の脇にあるのが、「愛の木」というご神木。


葵祭以来、ミモロがハマっているカツラの木です。よくカツラの木は、愛の木と呼ばれるのは、その葉がハートの形に似ていて、また巨木の根元はひとつで、幹が分かれ、2つの木が寄り添うように立つ姿から、夫婦和合の象徴にもなっているという理由でしょう。ちなみに「愛染かつら」という木はありません。これは昭和に川口松太郎の長編小説で、恋するふたりが、カツラの木の下で、愛を誓った有名な場面で知られる小説の題名です…。
最近、ミモロは、カツラの葉の甘い香りが大好き…。「上品な甘さがあるのー」と。以前、別の場所え、分けてもらった枝を乾燥させて、ときどきクンクンと嗅いでいます。葉は、乾燥しても、甘い香りがあります。
お待ちどうさまでした、やっと本殿へ。


*「梨木神社」の詳しい情報は、ホームページからどうぞ…。

ブログを見たら、金魚をクリックしてね。ちょっと忙しくなったミモロより