京都八坂神社の西側エリアの祇園は、舞妓さんがいる花街として有名な場所。ミモロもよくお散歩に出かけます。
四条通沿いに紅色の壁が続く『一力茶屋』の前、花見小路を、北側に進むと、古びた風情漂う1軒のお店があります。



店の表には、草履や下駄が並ぶ履物屋さんです。のれんを見たミモロ「点や?」。いいえ「ちょぼや」と読みます。
「わーかわいいお草履…ミモロも欲しいなぁ…」と、


さて、後日、改めて「ちょぼや」さんを着物持参で訪れたミモロです。

創業は、昭和29年。ここでは、分業で作られた草履や下駄に鼻緒をすげて仕上げる仕事が行われます。初代の櫻井義雄さんから、現在、息子の櫻井功さんが、二代目としてお店を守ります。すでに築80年以上は経っている言う風情あるお店の建物。中央に座る功さんの周りにグルリと草履が飾られています。


「わーキレイな草履…いろんな色と種類があるんだー」とズラリと並ぶ草履を見まわします。


京都は、友禅やお召しなど、どこか華やかで、艶っぽい着物が好まれます。それに合う草履も、しっとりとした色香が漂うよう。
まず、草履の選び方を伺うことに…
「うちの草履は、サイズはひとつだけ。極端に小さいとか大きい場合は、別注になりますが、22センチから24センチくらいなら、十分に対応します。足は、足袋に包まれていますから、草履からはみ出すのは当たり前です。
草履は、脱いだ時のことも考えなくて…。もしお茶会などで、ズラリと草履が並ぶとき、大きいと目立って、具合悪いのと違いますかー。脱いだ時、スッキリ見えることも大切ですねー」
・よく草履をはくと、足が痛くなるんですけど…
「それは、鼻緒のすげ方の問題。同じ大きさの草履ですから、それぞれの人に合うように、鼻緒のすげ方を調整しないといけません。うちでは、実際に履いてもらって、具合を調整しながら鼻緒をすげます。だから、他の場所で商売ができないんですよー。ここに来てもらわないと…」

百貨店などにも一切お店はださないという「ちょぼや」さん。創業以来、祇園だけでなく、全国から、有名人や文化人など多く人が「ここの草履じゃないと…」と、贔屓にし、通い続けるお店です。
着物姿で、見える部分は少なくても、草履が決まらないと、全体のバランスが崩れてしまう重要なポイントの草履。
サイズは同じでも、高さの違いで印象も異なります。


高さの違いは、その人の背の高さの差だけでなく、好みで選べばいいそう。留袖や附下だから高いものということはないそうです。でも、着物は、あまりノッポでは、どうもバランスが…。
「色は、やっぱり年齢が関係するなぁー」と。写真でわかりにくいかもしれませんが、

「あのー草履探してるんですけど…合うのありますか?」と遠慮がちに尋ねるミモロ。「どれどれ、ちょっと見せてください…フムフム」




ミモロ、あきらめなさい…「うーでも…」と、今度は、子供用の草履にトライ。



お店には、お宮参り用の小さな布製の赤い草履やぽっくりが。
東京では、ぽっくりと呼びますが、京都では「おこぼ」と呼ばれます。その小さなおこぼの中には、鈴が…。


七五三のお祝いにもぴったりのお品です。
舞妓さんが履くぽっくり、おぼこ。


実は、最近は、舞妓さんのおこぼ姿は、特別な時以外、減少傾向にあるとか…。普段の移動は、草履…またホテルなど絨毯敷きの場所では、絨毯が痛む…という理由から、履くのを遠慮する傾向も…。でも舞妓さんには、ぽっくり。バランスの美しさは、他では叶えることができません。
「そうだよー。だって『へえおおきにー』って、ご挨拶するとき、ポックリ履いてないと、だらりの帯が、地面に着いちゃうかもよー」と、また細かいところを気にするミモロです。
三代目となるご店主。


「ここのお草履履きたいなぁーでも、足が小さすぎるしー」と、最後までブツブツ言い続けたミモロでした。

*「ちょぼや」京都市東山区富永町116 花見小路四条上ル西側 075-561-5584 営業時間11:30~20:00 不定休

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