昨日、秋晴れの月曜日、ミモロは、東京からお友達を迎えました。「京都のどこを案内しようかな?」と、いろいろ思い描いていたところ…なんとお友達から「比叡山の延暦寺に行ってみたい…」と、突然。「えー間に合うかな?」とちょっと心配になるミモロ。というのは、行きたいと聞いたのは、なんと午後2時を回っています。
でも、せっかく東京から来てるから・・・ということで、急遽車で、比叡山を目指すことに…。
「わーもう紅葉が始まってるー」
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「延暦寺」東塔の「根本中堂」の脇には、色づいたもみじが、枝を広げていました。
「やっぱり比叡山は、京都の町より寒いねーブルブル…」。そのため紅葉も町よりも進んでいます。ひんやりとした山の空気…身が引き締まるような冷たさは、山というだけでなく、やはりここが仏教の聖地であることを思い出させます。
「わーもうじき、門が締まっちゃう…ギリギリセーフ」。時は、すでに4時15分。「根本中堂」の門は、半分閉まりかけています。「あのーお詣りさせていただいていいですか?」と、門を閉めている僧侶に伺い、「はい、どうぞ…」とお許しをいただき、足早で中へと進みます。
次々に締められる本堂の扉…。内部は、いっそう薄暗く、法灯の光が、内側を照らしています。
「なんか、前来た時より、もっと幻想的…」とミモロ。他に参拝者がいない「根本中堂」。静寂だけがミモロたちを包みます。
ギーギーと、大きな木の扉が閉まる音が、響く根本中堂。
「この時間が、一番静かですよ」と、ミモロたちを見守る僧侶の方。「ここにセミがいるの知ってますか?」と、御本尊の薬師如来さまを拝む場所の扉についた金具を指さします。「あ!ホント・・・セミがいる」黒い鉄製の小さなセミが、扉の下の部分に止まっています。「このセミは、厄除けのもの。防犯の効果もあるんでセコムならぬ、セミコムですね」と、なかなかユーモアのあるご説明。
「こっちには、サルもいるんですよー」と。ミモロは、興味津々で、僧侶の後を付いてゆきます。
別の扉には、知らないと見落としてしまう小さなサルの姿。「三猿のひとつで、これは見ザル。あっちの扉には、聞かザルがいます」。猿と言われないとちょっとよくわからない形ですが、確かに、目と耳を押さえています。
「言わザルは、ここにはいません。自分の思いや信念をしっかりと人に伝えなさい…という教えに基づいたものです」と。
すでに御堂の扉は、すべて閉められ、ミモロたちだけがそこに…。
「もう参拝時間は終わりましたから、あっちから出てください…」と、もと来た廊下を、急いで歩き、外へ。
ミモロたちが出ると、門がギーっと閉まりました。
「さすが、お寺、時間厳守なんだねー」とお友達。外には、参拝者の姿も見られましたが、もう中には入れてもらえません。
「よかったねー。ギリギリで間に合って・・・それにすごく静かな特別な時間を10分間だけだったけど過ごせて・・」と、案内役のミモロは、ほっと肩をなでおろします。
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「今年は、紅葉が早そう…」というミモロの予想通り、比叡山は、日を追うごとに、紅葉が進んでいるようです。
実は、根本中堂を訪れる前に、ミモロたちは、阿弥陀堂、戒壇院にも参拝をしました。
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それぞれの場所にある急な階段…
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「ちょっと寄り道しすぎちゃったー」。そのため、「根本中堂」に図らずも、ギリギリの到着に…。
午後4時半…すべての御堂の扉が閉じられ、延暦寺全体が、すっぽりと夕暮に包まれます。
「もっと早く来れば、ゆっくり参拝できたのに…」と、案内役のミモロ。「でも、こんな特別な時間を過ごせて感激!いつもは、たくさんの人がいるんでしょ?」「うん。根本中堂を独占できたなんて、感激だよねー」と。
車に戻ろうとすると、バス停のところに外国人観光客のカップルが、なにやら係りの人を前に話をしています。
ミモロは、耳をピクピクさせて、その話を…どうやら山を下りるバスがなくなってしまったよう…。
途方に暮れる外国人観光客…女性は、カタコトの日本語で、係の人の説明を聞いていますが、具体的にどうしたらいいかは、アドバイスがもらえていないよう…。
「困ってるみたい・・・」とミモロ。「車に乗せてあげようよー」と、じっと見つめます。
うーその目に弱い…そうね、困っているときはお互い様…ということで、「もしよければ、車で下まで送ります…」とミモロ。一瞬にして、カップルの顔が明るく…。
聞くと、最終バスの時刻をチェックしていたものの、それは週末の時刻表だったようで、平日は、4時すぎに終バスが。山に来るときは、八瀬からケーブルカーとロープウェイを乗り継ぎ山頂へ。ミモロが前に訪れた「ガーデンミュージアム比叡」の中を抜けて、そこから「根本中堂」まで歩いたそう。「思ったより時間が掛っちゃてー。日本の夕暮れって、急に暗くなるんですねー」と、秋の陽は、つるべ落とし…5時近くなると、もう闇が迫ります。
ドイツからやってきたというお二人、トレッキングが大好きで、前日は、貴船から鞍馬を歩いたそう。
山を下りるドライブの間も、おしゃべりを…。(共通語は英語です)
「どうしようかと思っちゃったー。きっと今頃も山をさまよっていたかも…」と。河原町御池の交差点まで送ったミモロに、「これどうぞ…」とスイスのチョコレートを1枚お礼に…。
家に戻る車の中で、チョコレートと食べるミモロ「美味しいチョコレートだねー」と、ちょっとリキュールのきいたチョコレートは、ミモロの口に甘さを広げます。「なんか楽しかったねー」と。
「これも日本のおもてなしだよねー」と、きっと日本の旅で、ミモロとの出会いは忘れられないものになるかも…。
ガイドブック片手に旅をする個人旅行者は、ヨーロッパ系の人たちの旅のスタイルのよう。アジア系の人は、グループや団体旅行が大半です。インターネットなどで旅の情報を集め、ひとりや2人で旅をする人にとって、英語の表示の少なさが、やはり問題に…。オリンピックを控え、これから英語表示の整備も急務です。
安全な国と言われる日本。さらなる「おもてなし」は、スムーズに旅が楽しめるようにするシステムの構築にあるのでは?
トレッキングなど自然を楽しみながら、観光名所をめぐれるコース作りも、ぜひ…。
「これから、本格的な紅葉シーズンだねー楽しみ…」窓から眺め毎日紅葉をチェックしているミモロです。
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